MUSIC|ノサッジ・シング、待望のニューアルバム『ホーム』
MUSIC|とどまることを知らないLAビート・シーンの進化
ノサッジ・シング、待望のニューアルバム『ホーム』
フライング・ロータスやレディオヘッドも認める注目の逸材、ノサッジ・シング。12月22日(土)、前作『ドリフト』からおよそ3年ぶりとなるニューアルバム『ホーム』がリリースされる。
Text by IWANAGA Morito(OPENERS)
全世界が注目する若干27歳の天才
LAを拠点に活動する27歳のプロデューサー/ミュージシャン/ DJ、ノサッジ・シングことジェイソン・チャングは、13歳の若さで音楽制作をスタート。数々のビート・バトルやリミックス・コンテストで優勝し、はやくからその頭角をあらわしてきた。
LAビート・シーンの中核をなすパーティ「ロウ・エンド・セオリー」の常連アーティストとして活躍しながら、同郷のフライング・ロータスをはじめとするトップ・アーティストたちとの共演を果たし、話題のラッパーであるケンドリック・ラマーのプロデュースも務めた。
また、リミキサーとしてもその手腕は高く評価されており、これまでにレディオヘッドやシャルロット・ゲンズブールなどの楽曲を手がけ、ベックが監修を務めるフィリップ・グラスのリミックス・プロジェクトでも、アモン・トビン、コーネリアス、タイヨンダイ・ブラクストンら錚々たる面子のなかにその名を連ねている。
シネマティックなサウンドを映像にシンクロさせる
ノサッジ・シングのトラックの特徴は、ヒップホップ譲りの骨太なビート、エイフェックス・ツインやボーズ・オブ・カナダから受け継がれたサウンド・デザインと哀愁感のあるシンセのメロディ、そして「ロウ・エンド・セオリー」でつちかわれたベースラインだ。
先行シングル「エクリプス/ブルー」には、バトルスのアルバムにも参加したブロンド・レッドヘッドのカズ・マキノを迎え、アルバム全体においては、あたたかみのあるエレクトロニクスや生楽器を導入するなど、シネマティックな音像はさらに深みを増した。
映像とのコラボレーションを積極的におこなってきたノサッジ・シングは、「エクリプス/ブルー」のPV監督にパフュームの映像演出やエレクトラグライド2012でのインスタレーションを担当した、インタラクティブ・アーティストの真鍋大度を起用。今回のアルバムを携えたワールド・ツアーでも、両者のコラボレーションが予定されているので、ぜひ会場で体感したい。
LAビート・シーンからのビッグニュースは、年末になっても尽きない。本作をもって、より多くのリスナーがノサッジ・シングのサウンドにノックアウトされるのは、まちがいないだろう。