MUSIC|テーム・インパラが放つセカンド・アルバム『ローナイズム』
MUSIC|カルト的人気を誇るオーストラリア出身のサイケデリック・ロックバンド
テーム・インパラが放つセカンド・アルバム『ローナイズム』
オーストラリア・パース出身のサイケデリック・ロックバンド、テーム・インパラによるセカンド・アルバム『ローナイズム(Lonerism)』がリリースされた。世界中でカルト的人気を誇ったデビュー・アルバム『インナースピーカー』からさらに進化し、磨きをかけた独自のサウンドにどっぷりと浸りたい。
Text by YANAKA Tomomi
焦がすようなギターラインとシンセサイザーの“メランコズミック”な音楽
ストレートな1960年代後半のサイケデリックなロックサウンドで世界中を虜にするバンド、テーム・インパラ。バンドというカタチを取っているものの、レコーディングなどでもほぼすべてのパートをこなすヴォーカルとギターのケヴィン・パーカーによるソロプロジェクトといっても過言ではない。ほかの4人のメンバーは、別のバンドに所属しており、レコーディングやライブのときにのみ集まるというユニークな形態をもつ。
2008年にセルフタイトルのレコード『テーム・インパラ』をリリースしてすぐに注目を集め、イヤーセイヤーやMGMTとのツアーを経て、2009年にはアルバムリリース前にもかかわらず、サマーソニックのために来日。日本のファンを大いに沸かせた。2010年には待望のデビュー・アルバム『インナースピーカー』をリリースし、世界中のメディアから高評価を獲得。多くの年間ベストにもランクインを果たした。その忘れられないサウンドと、ユニークかつ驚かされるメロディ。そして、若々しさとロマンチックなソングライティングで大きな話題となった。
新作の『ローナイズム』では、プロデュースをフロントマンのケヴィン・パーカーが担当。焦がすようなギターライン、ドラム、自由なベース、そしてパーカーの歌声はもちろん、前作より進化が感じられるシンセサイザーの“メランコズミック”な音がほぼすべてのトラックで堪能できるという、飛躍的な進歩が感じられる1枚だ。
デビュー・アルバム『インナースピーカー』からの1曲
「エクスペクテーション」
新作『ローナイズム』からのファースト・シングル
「エレファント」
ローナー(孤立者)たちを熱狂させる魅惑的な詩の世界とサイケデリックな唯一無二の音楽が収録された『ローナイズム』。ケヴィン・パーカーが投げかけてくるめまいのするような変化球満載の音を楽しみたい。