MUSIC|ブレイクボットがいざなうドリーミーでポップな世界
MUSIC|噂のマルチ・プレイヤー、ついにデビュー作『バイ・ユア・サイド』を発表
ブレイクボットがいざなうドリーミーでポップな世界
ダフトパンクやジャスティスを世に送り出したフランスのレーベル「エドバンガー」から、とびっきりポップなアルバムが誕生した。『バイ・ユア・サイド』(=あなたのそばで)という、なんとも胸キュンなタイトルのついたこのアルバム。エアー、メトロノミー、ジャスティスといった大物アーティストのリミキサーとして腕を鳴らしてきた、ブレイクボットのデビュー作だ。2011年のサマーソニックで観客の心をがっちりつかんだ、彼の渾身の一作に耳を傾けてほしい。
Text by TANAKA Junko (OPENERS)
マルチ・プレイヤーが生み出す、クセになるポップサウンドとは?
エアーやメトロノミー、MGMT、ジャスティスなど大物アーティストのリミックスで、徐々にその名をとどろかせてきたブレイクボット。1970年代のディスコと最先端のエレクトロを見事に融合させたサウンドで、世界中のダンスフロアを騒がせたファースト・シングル「ベイビー・アイム・ユアーズ(feat. イアフェイン)」から2年。エドバンガーが一押しする彼が、ついに待望のファースト・アルバム『バイ・ユア・サイド』をリリースした。
ソウルフルなポップからロボット・ディスコ、エモーショナルなバラードまでが詰まったこのアルバムは、ドゥービー・ブラザーズ、トッド・ラングレン、ダリル・ホール&ジョン・オーツらの面影を感じさせ、「シルバー・スプーンズ(Silver Spoons)」や「パンキー・ブリュースター(Punky Brewster)」といった懐かしい80年代の米テレビドラマのテーマソングを思い起こさせる作品に仕上がっている。
「小さいとき、お兄ちゃんからすごく影響を受けたよ。ソウル、ファンク、ポップスを教えてくれたのは一番上のデヴィッドで、マイケル・ジャクソンとかプリンス、スティーヴィー・ワンダーのテープを作っては僕にプレゼントしてくれた。そういった、いままでに影響を受けたすべての要素を詰めこんだアルバムを作りたかったんだ。それでいて、ただの“参考書”にならない、聴いた人をポップな世界へと導くアルバムをね」
こうして完成したアルバムの楽曲は、なんとボーカル以外、すべてブレイクボット自身が手がけている。「とにかく、いろいろいじってみる。そうするうちに、いろんな要素が混在した独自のサウンドが生まれるんだ」と話す彼。そんな“ブレイクボット節”の脇を固めるのは、新鋭のボーカリストたち。「ファンタジー」では、マイケル・ジャクソンの生き写しかと耳を疑うほど、繊細なハイトーンの美声を持つラッカゾイドをフィーチャー。また、「バイ・ユア・サイド」では、スウェーデン出身のバンド、パシフィックのビョルン・シネビーをボーカルに迎えている。
ポップやファンクを愛する、ひとりのミュージシャンが丹精を込めて作ったこのアルバムとともに、とびっきりドリーミーでポップな世界に浸ってみたい。
『By Your Side/バイ・ユア・サイド』(日本盤)
Breakbot/ブレイクボット
2580円(WPCR-14614)
全16曲(日本盤のみボーナストラック収録)
発売中
ワーナーミュージックジャパン
http://wmg.jp/artist/breakbot/