連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.4 光る! 新世代アジアンインディー5選
LOUNGE / MUSIC
2017年3月14日

連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.4 光る! 新世代アジアンインディー5選

連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.4

おすすめアジアンインディーアーティスト5選

海外の音楽というと欧米リリースの洋楽がイメージされがちですが、お隣の韓国、台湾、またタイなどにもアンダーグラウンドで活躍するユニークなアーティストがたくさんいます。見つけたらワクワクしてしまう、個性的なキャラクターの彼らの音楽からは純粋なエネルギーと奇妙な躍動感が得られます。インディーシーンではすでに世界から注目度の高い、おすすめ5アーティストの作品を紹介します。

Text by ASAKURA Nao

台湾シュゲーザーから韓国の最新ベッドルームポップス、タイのベルセバまで

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manic sheep『Brooklyn』

台湾の4人組シューゲイズバンド、manic sheep。ローファイ感あるサウンドとキュートなボーカル、Chrisの声がたまらないデビューアルバム『Manic Sheep』が日本のポストロック、シューゲイザーファン、世界のアーティストから熱く支持され、これまでにKYTE、The Album Leaf、Neon Indianといったインディーシーンのトップアーティスト陣のオープニングアクトを務め、また日本でもフジロックに2年連続出場を果たすという活躍ぶり。よりバンド色が強くなり、クールにステップアップした印象の2ndアルバム『Brooklyn』。思わず口ずさみたくなるハートフォーミングなサウンドは健在です。


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Neon Bunny 『Stay Gold』

韓国・ソウル発のベッドルーム・ポップ・シンガーNeon Bunny。米音楽メディア「Pichfork」がニューアルバム『Stay Gold』収録の「It's You」を“20 Essential K-Pop Songs”の一つに選出。またイギリスのカルチャー誌「Dazed&confused」でも再三取り上げられるなど、欧米メディアからの注目も高い女性アーティストです。韓国語と英語詞のエキゾチックなボーカルに、チルステップ〜Future Bassといった現在進行形のシンセ・サウンドがちりばめられ、彼女のアイデンティティが抜群に発揮された作品に仕上がっています。


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Part time Musicians

タイのポップバンド、Part time Musicians。タイ最大の野外音楽フェスティバル「Big Montain Music Festival 2015」に出演、タイ国内でリリースしたアルバム『Guava songs』は「10年間で最も売れたアルバム」と言われており、今タイで最も熱いバンドの一組です。昨年10月に同名アルバムの日本盤で日本デビューも果たしており、「earth garden2016秋」に出演。代々木公園でその存在感を魅せつけてくれました。BELLE AND SEBASTIANを思わせる馴染みやすいポップな曲調と洗練された男女混合ボーカルは、大陸的な“洋楽”を思わせ、日本人ファンも確実に増えていくでしょう。


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Trampauline

韓国のシンセポップ・バンド、Trampauline。ノスタルジー溢れるニューウェイヴィーなサウンドと等身大のストリートファッションに身を包んだ女の子たちが魅力的で、音楽ファンのみならずファッション業界からも脚光を浴び、インターナショナルモード誌『Vogue』や『Harper's Bazaar』、『GQ』などの国内誌に取り上げられ、日本初来日時にはアニエスベー表参道店でのインストアライブを決行。またドイツMorr Music看板アーティスト、Lali puna10年ぶりの来日公演にスペシャルゲストとして参加するなど、エッジィな業界人たちからのラブコールがつきません。ヒョソンの飾らない、伸びやかなボーカルにもグッときます。


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落日飛車(Sunset Rollercoaster)

台湾の5人組ロックバンド、落日飛車(Sunset Rollercoaster)。台湾では突出した存在で、日本のシティポップブームの波に乗りSUMMER SONIC2011に出演。ニューEP『JINJI KIKKO』ジャパンツアーの東京公演ではシャムキャッツ、ザ・なつやすみバンドといった日本のヤングジェネレーションを牽引するインディーアーティストと共演。台湾テイストなAOR、サイケとボーカルのメロウな歌い回しが日本でも中毒症状を起こす人が続出しました。台湾のインディーシーンを賑わしているようですが、日本にもその波動はローラーコースター並の勢いで到着済みのもよう。


朝倉奈緒|ASAKURA Nao
東京都・品川区出身。大学卒業後、モード誌『marie claire』の広告営業、レコード会社勤務、主婦雑誌の編集を経て出産を機にフリーランスに転身。編集・ライター・PRに携わる。カルチャー、フード、旅を中心に執筆、エレクトロミュージックのPRを担当。学生時代に世界28ヵ国放浪&日本列島ヒッチハイクの歴有り。


           
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