連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.2 籠もる季節に聴きたい癒しのピアノ曲5選
LOUNGE / MUSIC
2017年1月23日

連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.2 籠もる季節に聴きたい癒しのピアノ曲5選

連載|朝倉奈緒のMUSIC PLAYLIST Vol.2

日本人の琴線に触れる、ピアノの音色が心地よい名曲5選

寒くなり、休日や夜、部屋で過ごす時間が長くなるのではないでしょうか。家にいるとき、テレビを消して音楽をかけると、驚くほどその場の雰囲気が変わることに気がつきます。せっかくなら寛げる、冷えた体をほっと温める音楽を聴きたいですよね。今回、誰もが安らぐピアノの音色が心地良い曲を選びました。クラシックにとどまらない、多ジャンルで活躍するアーティストの清らかな音世界をお楽しみください!

Text by ASAKURA Nao

ピアノソロからエレクトロニカ、ジャジーヒップホップまで

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Henning schmiedt- Hochzeitslied 

ドイツのピアニスト、Henning schmiedt。日本でも良質な音楽レーベル、flauよりこれまでに多数の作品をリリースしており、来日公演には、老若男女問わず毎回たくさんのファンが押し寄せます。彼のピアノはそっと寄り添うような優しさで、生演奏を聴き「涙が出ていた」という人も。このノスタルジックな雰囲気のアルバム『Walzer』に収録された「Hochzeitslied 」は、あるカップルのために描き下ろされたもの。お祝いの気持ちと友人を送る少し寂しい気持ちが混在する切なさが表現されている、温かな名曲。思いやりに溢れた Henning schmiedtのアルバムは、大切な人の贈り物にもおすすめです。


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Akira Kosemura-Light Dance 「Tiny Musical」

広告や映画、アート界隈の音楽を担当し、幅広く活躍する日本人音楽家、小瀬村晶。自身が運営するレーベル「schole」よりリリースしたオリジナルアルバムはいずれも国内外で高く評価されています。中でも若干22歳のときに制作されたソロ作品『Tiny Musical』はピアノを中心としたエレクトロニカ作風で、日常に溶け合う美しいサウンドが多くの人を惹き付け、異例のヒットを記録しました。収録曲の「Light Dance」は彼の代表作といえる名曲で、「この曲のおかげで沢山の出会いや貴重な経験が出来たので、僕にとっては人生の大切な相棒のような存在です。」と本人もコメントしており、生演奏で聴くと感動して鳥肌が立ちます。




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☆Takagi Masakatsu-girl

ピアノによる楽曲制作で、細田守監督映画「おおかみこどもの雨と雪」・「バケモノの子」の劇伴や多数の映画・CM音楽を担当し、国内外でアカデミックに活躍する音楽家であり、映像作家でもある高木正勝。彼の代表曲「gilrs」はアルバム『COIEDA』に収録されているものと、コンサートで生演奏されるもの、youtubeなどにアップされているもの、多くのバージョンが発表されていますが、初めてこの曲を聴いたとき、誰もが懐かしい気持ちになるのではないでしょうか。自ら撮影したものを加工したという「girls」の映像も、印象的で惹き込まれます。多くの人の心を掴む、この物悲しくノスタルジックなメロディーと「gilrs」と付けられたタイトルが意味深で色々想像してしまい、聴く度に切なくなります。


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sakai asuka- Linne

ゲームやアニメ、CM音楽制作等で活躍する、日本人女性音楽家sakai asuka。イタロハウスで有名なダンスミュージックレーベル、IRMA recordsから海外ボーカリストを起用したアルバムをリリースし、話題となりました。多彩なゲストボーカルと彼女のピアノが織りなす、メランコリックな2ndアルバム『Mt.』に収録された「Linnne」はsakai asukaのピアノと、音の隙間に入りこむように女性ボーカルとベルの音が共鳴する、澄んだ冬の景色にぴったりの曲。透明感があって温かく、女性の母性に包まれたように癒されます。


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re:plus-Blue Sky

“Jazzy Hip Hop”というジャンルが日本のインディーシーンに定着するのを担った、若手トラックメイカーのひとりre:plus。海外のラッパーを起用したヒップホップトラックを作ることが多い彼ですが、「Blue Sky」は日本人の女性ボーカリスト、cokiyuを起用した、エレクトロニカな曲。ヒップホップをベースとしたトラックにピアノの音色とcokiyuのウィスパーボイスが乗り、浮遊感のあるサウンドに仕上がっています。本人の「当時ジャンルごとにある製作のセオリーとか垣根を今よりも全然持ってなく、直感で好みの音を追求していた。」という言葉の通り、ジャンルや既成概念にとらわれない、瑞々しさが感じられる美曲です。


朝倉奈緒|ASAKURA Nao
東京都・品川区出身。大学卒業後、モード誌『marie claire』の広告営業、レコード会社勤務、主婦雑誌の編集を経て出産を機にフリーランスに転身。編集・ライター・PRに携わる。カルチャー、フード、旅を中心に執筆、エレクトロミュージックのPRを担当。学生時代に世界28ヵ国放浪&日本列島ヒッチハイクの歴有り。

           
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