MOVIE|サンダンス映画祭グランプリ&脚本賞2冠『ウィンターズ・ボーン』
サンダンス映画祭グランプリ&脚本賞2冠!
心揺さぶる人間ドラマ『ウィンターズ・ボーン』
サンダンス映画祭でグランプリ&脚本賞の2冠に輝き、第83回アカデミー賞では作品賞、主演女優賞、助演男優賞、脚色賞の4部門にノミネート。世界の主要映画賞で合計46部門もの賞を獲得した『ウィンターズ・ボーン』が、10月29日から、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー公開中。
Text by OPENERS
アカデミー賞作品賞ノミネート10作品中最後の1本、ついに劇場公開
極めて小さな予算規模のアメリカ映画として破格の成功を収めたヒューマンドラマで、とくに全米の賞レースでは、過酷な境遇を生きるごく普通の人びとに光を当てた『フローズン・リバー』『プレシャス』につづくインディペンデント映画の傑作と絶賛を博し、2010年の各種年間ベストテンにも軒なみランクインを果たした『ウィンターズ・ボーン』がついに公開された。
ミズーリ州在住の作家 ダニエル・ウッドレルの同名小説に基づくこの映画は、同州の山間部の村に住む少女リー・ドリーの物語。リー(ジェニファー・ローレンス)は、青春まっただなかの17歳だが、心を病んだ母親の代わりに弟と妹をかいがいしく世話し、その日暮らしの生活をどう切り盛りするかで頭がいっぱい。
もはや生活資金も食べものも底をつきかけたとき、さらなる決定的な難題がもちあがる。とうの昔に家を出たドラッグ・ディーラーの父親 ジェサップが警察に逮捕されたあげく、自宅と土地を保釈金の担保にして行方不明になってしまった。やむなくリーは家族を守るために自ら父親捜しに乗り出すが、ならず者だらけの親族や友人たちはまったく協力してくれず、露骨な妨害工作さえ仕かけてくる。家を立ち退くリミットまで、残された時間はわずか一週間。まさしく命がけの冒険に身を投じたリーは、その果てにいかなる真実を探り当てるのか……。
主演のリー・ドリーを演じるのは、アカデミー主演女優賞候補に名を連ねた1990年生まれのジェニファー・ローレンス。メジャー大作『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(2011)に抜擢されたことも記憶にあたらしい若手注目株で、映画の舞台となった地域のアクセントを学び、その環境に溶け込むようにして撮影に臨んだという渾身の役づくりと少女の感情の揺らめきを豊かに伝える表現力は、アメリカ映画界の次世代スターの誕生を強烈に印象づける。
ウィンターズ・ボーン
監督・脚本|デブラ・グラニック
原作|「Winter’s Bone」ダニエル・ウッドレル
出演|ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、デイル・ディッキー
2010年/アメリカ/100分/カラー/アメリカンビスタ/PG-12
配給|ブロードメディア・スタジオ
www.wintersbone.jp