MOVIE|11人の役柄を演じる男性の1日を追う『ホーリー・モーターズ』
MOVIE│鬼才レオス・カラックス監督、13年ぶりの長編
11人の役柄を演じる男性の1日を追う『ホーリー・モーターズ』
『汚れた血』や『ポンヌフの恋人』で知られるフランスの鬼才、レオス・カラックス監督13年ぶりの長編となる『ホーリー・モーターズ』。4月6日(土)からユーロスペース、シネマカリテほか全国順次ロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
主演は、カラックス監督の“分身”ドニ・ラヴァン
熱狂的なファンをもつレオス・カラックス監督。1999年の『ポーラX』以来となる待望の長編映画がついに幕を開ける。
リムジンに乗ってパリの街を移動しながら11人の役柄を演じる「オスカー氏」の1日を追う本作。オスカー氏を演じるのはこれまでにもカラックス作品で主演を重ね、監督自身の分身ともいえるドニ・ラヴァン。またエヴァ・メンデスが美しいトップモデル役を演じ、カイリー・ミノーグが歌声を披露するなど、ゴージャスな共演者たちが脇を固める。
舞台裏のような白リムジンでパリの街を移動する
人生から人生へと旅をつづけるオスカー氏の1日。彼は運転手のセリーヌだけを供に、メイク道具を満載した舞台裏のような白のリムジンでパリの街を移動する。それぞれの場所で、あるときは大企業の社長、またあるときは殺人者、物乞い、怪物、そして父親へと変身するのだ。
オスカー氏はそれらの人物になりきり、役を演じることを楽しんでいるように見えるが、カメラはいったいどこに? そして彼の家、家族、そして休息の場所はいったいどこにあるのだろうか──。
カラックス監督ならではの映像美とミステリアスな物語。彼の長年の想い、そして彼の人生が込められた本作は、監督のあらたな魅力を引き出している。
『ホーリー・モーターズ』
4月6日(土)からユーロスペース、シネマカリテほか全国順次ロードショー
監督・脚本│レオス・カラックス
出演│ドニ・ラヴァン、エディット・スコブ、エヴァ・メンデス、カイリー・ミノーグ、ミシェル・ピコリ、レオス・カラックス
配給│ユーロスペース
2012年/フランス・ドイツ/115分
http://www.holymotors.jp/
© Pierre Grise Productions