MOVIE|幸せのかたちを問う感動作『よりよき人生』
MOVIE|フランスの名だたる実力派が集結
幸せのかたちを問う感動作『よりよき人生』
あたらしい“絆”や“幸せ”のかたちを、フランスの名だたる実力派が集結して描いた『よりよき人生』が、2月9日(土)から新宿武蔵野館でロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
若き名匠セドリック・カーンと、名優ギョーム・カネがタッグ
家族のあり方やお金という複雑な問題を抱えて四苦八苦する、若いカップルとひとりの子どもの姿を丁寧に映し出す『よりよき人生』。ドキュメンタリー映画を彷彿とさせる臨場感で描かれ、現実に翻弄されながらも、人生において大切なものとは、“よりよき人生”とはなにかを浮かび上がらせる。
『戦場のアリア』や『恋と愛の測り方』など、数かずの話題作への出演がつづき、フランス映画界を代表する俳優でもあるギョーム・カネが、主人公のヤンを熱演。ヤンと恋に落ちるナディアは注目の女優レイラ・ベクティが演じる。
そして、フランスの最高の映画賞のひとつルイ・デリュック賞にも輝いたこともある若き名匠セドリック・カーンがメガホンを取った。
レストラン開業のために消費者金融に手を出し、瞬く間に多重債務者となるヤン
シェフを目指すヤンとシングルマザーのウエイトレス、ナディアは出会い、恋に落ちる。ある日、出かけた湖畔で空き家を見つけたヤン。「ここはステキなレストランになる」と直感がひらめき、その場で不動産会社に電話をして物件を押さえてしまう。
だが、先立つものがない。ヤンは頭金を捻出するために数社の消費者金融に手を出し、瞬く間に多重債務者へと転落。さらに、設備業者に必要な設備を省かせたために、消防署から営業の許可が下りず、レストランを開業できないという窮地に。
ナディアはこの状況を抜け出すため、現状よりも好条件で働ける職場を紹介されるが、その場所はカナダだった。融資屋が斡旋した安宿で貧しい共同生活を余儀なくされるヤンと、ナディアの息子スリマン。いつしかそんなふたりの間には父と子の絆が芽生えていた。しかし、カナダのナディアと連絡が取れなくなって――。
夢への挑戦と挫折ととおして見つけた大切なもの。出口の見えないような複雑な問題を抱えながらも明日を信じ、前進していく「あたらしい家族」姿に、きっと爽やかな感動を覚えることだろう。