MOVIE|西加奈子のロングセラー小説、待望の映画化『きいろいゾウ』
MOVIE|西加奈子のロングセラー小説、待望の映画化
宮﨑あおいと向井理が夫婦を演じる『きいろいゾウ』
2006年に発表された西加奈子のロングセラー小説を恋愛映画の名手、廣木隆一監督が待望の映画化した『きいろいゾウ』が2月2日(土)から全国ロードショーされる。
Text by YANAKA Tomomi
監督は恋愛映画の名手、廣木隆一
いまをときめく宮﨑あおいと向井理が初共演を果たした『きいろいゾウ』。出会ってすぐに結婚し夫婦になったカップルが、愛するがゆえの苦しみを感じ、傷つきながらもお互いを知り、想い、敬う姿が、感動的に描き出されている。これは『ヴァイブレータ』や『余命一ヶ月の花嫁』などで男女のさまざまな愛のカタチを描いてきた恋愛映画の名手、廣木隆一監督だからこそ実現できた世界観であろう。
出演は、原作の帯に「いつか、この小説の『ツマ』を演じてみたいです」と寄せていた宮﨑あおいと、雑誌内でおすすめの一冊として本作をあげた向井理。さらに、柄本明と松原智恵子が脇を固め、リリー・フランキーと緒川たまきとともにムコとツマを取り巻く夫婦を演じる。そして、声の出演として大杉漣、柄本佑、安藤サクラ、高良健吾という豪華俳優陣が集結している点にも注目だ。
ファンタジーとリアリティが入り混じる壮大なラブストーリー
幼い頃から絵本の『きいろいゾウ』を大切に読み、木々や動物たちの声を聴く事ができる妻利愛子(つまり・あいこ=ツマ)と、背中に大きな鳥のタトゥーが入った売れない小説家の無辜歩(むこ・あゆむ=ムコ)は、ある満月の夜に黄色い光に導かれるように出会い、すぐに結婚。お互いに“秘密”を抱えていたが、それでも穏やかで幸せな日々を過ごしていた。
しかし、ムコ宛に届いた差出人不明の一通の手紙をきっかけにふたりの関係が大きく揺らぎはじめる。過去にとらわれるムコと、そんなムコを想い変調をきたしていくツマ。そして、ある決心を胸に過去と対峙するムコはひとり東京へと向かう。
ファンタジーとリアリティが入り混じりながらも、結婚した男女がお互いを見つめあうことによって夫婦となってゆく壮大なラブストーリーである。