MOVIE|出産前後の女性の本音と悩みを赤裸々に描く『理想の出産』
MOVIE|ベストセラー作家エリエット・アベカシスの自伝的小説を映画化
出産前後の女性の本音と悩みを赤裸々に描く『理想の出産』
フランスのベストセラー作家エリエット・アベカシスの自伝的小説を映画化した『理想の出産』が、12月22日(土)より新宿シネマカリテほかで全国順次ロードショーされている。
Text by YANAKA Tomomi
主演のルイーズ・ブルゴワンが主人公の心理変化をリアルに熱演
明るく、ポジティブなイメージで語られることの多い妊娠や出産、育児。しかし、その裏では子ども中心の生活になじめなかったり、母親はホルモンバランスが崩れ、誰にもいえない葛藤が芽生えるのも事実。そんな出産前後の女性の本音と悩みを赤裸々に描くのが映画『理想の出産』だ。
原作は、ミステリー小説「クムラン」シリーズが日本でもヒットした小説家エリオット・アベカシス。自身の体験をモデルにしたベストセラーを、新鋭のレミ・ブザンソン監督が熱望し映画化が実現した。
主演はリュック・ベッソン監督のアドベンチャー大作『アデル/ファラオと復活の秘薬』(2010年)で主役に大抜擢された、クールビューティのルイーズ・ブルゴワン。特殊メイクにも挑み、体型が変化していくヒロイン、バルバラの心理をリアルに演じた。相手役には、ブザンソン監督作品2作目となる若手実力派のピオ・マルマイ。映画とゲームを愛するオタク青年から家族を支える父に成長するニコラを、愛嬌たっぷりに演じている。
完璧な母親を目指して精神的、肉体的にも追い込まれるバルバラ
「愛する人の子どもが授かった!」。喜びに包まれるバルバラは、自分の身体に起こるはじめての変化に興味津々だ。しかし、妊娠したら母性は目覚め、出産後は赤ちゃんとの楽しい生活がはじまるものという幻想を抱いて飛び込んだ新生活は戸惑いの連続となってしまう。
ホルモンのバランスが崩れて精神的にも肉体的にも不安になるバルバラに対し、パートナーのニコラはのほほんとマイペース。出産してからは泣き止まず手のかかる子どもの世話と責任がバルバラの肩にのしかかり息切れ寸前となってしまうが、それでも完璧な母親を目指し、バルバラは育児にのめりこんでゆく。そして、育児への考えの違いからふたりの仲もいつしか険悪に──。
女性の視点でリアルに描かれた世界初のマタニティシネマ。出産したことのある人は「そうそう!」と思わずひざを打ち、これから経験するであろう人たちにとっては意外な真実を目にすることだろう。