MOVIE|6時間39分の映画『ジョルダーニ家の人々』上映
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2014年12月25日

MOVIE|6時間39分の映画『ジョルダーニ家の人々』上映

MOVIE|岩波ホールで6時間39分の映画を一挙上映

『ジョルダーニ家の人々』

『旅芸人の記録』(3時間52分)や『ルードウィヒ 神々の黄昏』(3時間4分)、『ファニーとアレクサンデル』(5時間11分)など、数かずの長時間映画を上映してきた、神保町の岩波ホール。7月21日(土)から9月14日(金)まで、6時間39分の長編イタリア映画『ジョルダーニ家の人々』を上映する。

Text by KAJII Makoto (OPENERS)

3回の休憩をはさんで、1日1回一気に上映。来場者プレゼントも!

観客が一日中ひとつの映画館のスクリーンに向かうという贅たくな時間――東京・神保町にある岩波ホールは、故川喜多かしこ氏と高野悦子氏のふたりによって「エキプ・ド・シネマ(フランス語で映画の仲間の意)」をコンセプトとし、1974年にスクリーン上映をスタートした由緒ある映画館。最初の作品は世界映画史をかざるインドのサタジット・レイ監督『大地のうた』3部作の第3部にあたる『大樹のうた』(トータル5時間40分)を上映した。

「エキプ・ド・シネマ」は以下のような映画を取り上げることを目標にしている。日本で上映されることの少ないアジア・アフリカ・中南米など欧米以外の国々の名作、大手興行会社が取り上げない欧米の名作、日本で上映されなかった映画史上の名作、カットされ不完全なかたちで上映された作品の公開に、積極的に取り組んでいる。

入場者が少なければ、すぐに公開作品打ち切りになってしまう「シネコンの論理」が席巻している現在、一つの映画館で長い期間、一本の映画の上映期間を守る岩波ホール。この夏は、イタリアの大河ドラマ『ジョルダーニ家の人々』にぜひ浸ってみてほしい。また『ジョルダーニ家の人々』上映期間中、イタリアにちなんだプレゼントが提供される(ホームページ参照)。

<ストーリー>

ローマに暮らすジョルダーニ家。技術者の父、元医師の母、外務省で働く長男アンドレア、心理学者の長女ノラ、 建築を学ぶ次男ニーノ、高校生の三男ロレンツォと、一見不自由のない幸せな家族に見えた。しかし三男の不慮の死をきっかけに、家族は心に秘めていた問題や困難に向き合うなかで、一人ずつ家を離れていく。彷徨える者たちが運命のように出会う人びと――不法移民の女性とその娘、不治の病のフランス人、戦場で記憶を失った大尉など……。一本の細い川がいつか大河の流れとなるように、父と母、アンドレア、ニーノ、ノラ、それぞれの運命と人生は、ふたたび折り重なって、血のつながりや民族を越え、より大きな家族を成してゆく。ラストシーンのジョルダーニ家の開け放たれた窓のように、さらに豊かに、開かれた未来に向かって……。

岩波ホール|ジョルダーニ家の人々 02

『ジョルダーニ家の人々』

上映期間|2012年7月21日(土)~9月14日(金)

監督|ジャンルカ・マリア・タヴァレッリ

脚本|サンドロ・ペトラリア、ステファノ・ルッリ

出演|パオラ・コルテッレージ、クラウディオ・サンタマリア、ロレンツォ・バルドゥッチほか

2010年/イタリア・フランス合作/399分/イタリア語/ドルビーデジタル/HDV

公式サイト

http://giordanike-movie.com/

岩波ホール

http://www.iwanami-hall.com/

           
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