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2022年3月4日
原料の原料まで遡及し、工場の背景にまで目を向ける 徹底して肌と地球の環境にこだわる「immuno」後編|BEAUTY
immuno|イミュノ
ただサスティナブルであれば良いという考え方ではなく、より源流に戻ることで見えてくる“未来”。明日の地球を見ることがユーザーの満足につながると考える、「プレミアアンチエイジング」の姿勢と「immuno」の開発秘話を前回に続いてお届けします。
Equally beautiful編集部
エコサートやCOSMOSなどオーガニック認証(ナチュラル&オーガニック化粧品基準)のある天然由来原料を使うのはもちろんですが、「immuno」はさらに奥深く原料の選別にまで力を入れています。たとえばパラベン不使用やアルコールフリーと商品で訴求していても、その原料自体がパラベンやアルコールを使っていては意味がないという考え方です。ただ、厳選すればするだけ選択肢も少なくなります。
「全成分、キャリーオーバー*にまで目を配ってこそ肌への効果、効能が発揮されると考えています。だからこそ私たちは由来を確認していきます。例えば、以前、油溶性植物エキスの抽出溶媒であるスクワランの由来を確認したらサメだとわかり、使用する原料を変更しました。原料のキャリーオーバー成分としては含まれているのに、その成分を不使用と訴求する(つまり、アルコール自体を配合していなかったらアルコールフリーと表示するなど)メーカーも多いのですが、私たちは確認を怠りません」
* キャリーオーバーとは「持越し」「残っているもの」「名残」「影響」などを意味するもので、この場合は原料の由来成分にまで遡及しているという意味です。
* キャリーオーバーとは「持越し」「残っているもの」「名残」「影響」などを意味するもので、この場合は原料の由来成分にまで遡及しているという意味です。
原料だけでなく、容器の製造にまで徹底した環境配慮。
「資材に関してはリサイクルや、バイオマスなどの素材を使うことに最大限努力しています。私たちは資材そのものの最小化、軽量化も併せて考えながら、容器の選定をしています。内容量が少ない商品や高級化粧品の容器にはデコレーションをするために2パーツ設計の容器や肉厚設計を採用することが多いのですが、この加飾を減らすことで容器に使われるプラスチックの量も減らすことができます。化粧箱のバージンシールを使用せず、OPPシールも止めないように、差し込み口に工夫があります。また、お客様にお渡しするブランドブックも裏写りしないなどの最低限のブランドイメージは守りながら、必要最小限の厚さに薄くしています。店頭の什器もアクリル板の使用を控えたり、通販の化粧箱も最低限の厚みにして、形を工夫することで強度を守っています」
化粧品そのものだけではなく、化粧品を取り巻くすべてで環境に配慮している姿勢が伺えます。容器に関しては化粧品ならではの悩みも多いそうです。
「容器を製作するにあたって、リサイクル原料を提案していただいても、まず原料そのものを集めるのが大変とのことで、またそのような原料を使用して容器をつくるために専用の金型から設計して、という流れでつくろうとするとコストがかかりすぎて、結果的に商品化が難しいのです。さらには試供品などのミニボトルもつくらないといけないので、問題は山積みになります。また中身の成分との相性もあります。オーガニックな天然由来成分は変質しやすいので、香りの変臭などの基本的なテストも過酷な状況で行なっています」
日夜こうした開発があり、やっとのことで商品は並んでいるのだと、改めて商品開発の大変さに気づかされます。成分の90%以上が天然由来成分という「immuno」だが、そこにも開発秘話はあるようです。
「成分だけではなく、効果、効能にも科学的にアプローチする必要があります。ラベンダーエキスやホホバ油には肌の抗酸化効果はありますが、コンセプト訴求的にオーガニックでなかったり、不使用にしている成分が含まれていたり、逆にオーガニック認証がある原料でもテストしてみると肌の保湿や炎症を抑える等の期待する効果が私たちの望むレベルでなければ、やはり「immuno」の商品として配合する原料として認められません。これだけのことを最低限守ることが「immuno」の姿勢だと思っています」
“サスティナブルな化粧品”というだけではユーザーの満足は得られません。そこに機能性がきちんとあってこそ。そのためには原料選定が大事と宮下さんはおっしゃいます。
「例えば、同じカモミールでも産地によって効果が違うのです。だからさまざまな論文も読んでいます。表に見えてこない成分にまでこだわる処方にすることでたとえ原価が高くなっても、その機能性のエビデンスを優先します。肌データから水分量が増えたなど、注目する点を多岐にわたって見ていくことで化粧品は進化します」
化粧品開発の裏側を垣間見た今回の取材でしたが、最後に宮下さんがおっしゃった言葉が印象的でした。“化粧品は使い続けるとやがて自分の体になっていく。皮膚に肌になっていく”と。中身にこだわる姿勢はあくまでも人間の体を考えてのこと。そのために使い心地を良くして、それで悩みを解消して、また使いたくなるようにしたいと強くおっしゃっていました。
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