アートフェア東京2012|Chim Pomや山川冬樹の作品が買える「project in PROJECTS」
ART FAIR TOKYO 2012
Chim↑Pomや山川冬樹の作品が買える
project in PROJECTS
作品が買える展覧会として過去6回、多くの来場者で賑わったアートフェア東京が、3月30日から3日間、有楽町の東京国際フォーラムで開催される。古美術から現代アートまで幅広く出展されるのが特徴だが、今回の目玉企画のひとつともいえるのが「project in PROJECTS」。ブースにおさまりきらないインスタレーションやパフォーマンスなどの作品が展示される。
Text by SUGIURA Shu(OPENERS)
ブースから飛び出す活きのよさ!
いま再び盛り上がりを見せる、インスタレーションやパフォーマンスというジャンル。とくに若い世代で、これまでのやり方にとらわれない自由な発想が広がっている。今回アートフェアはそうしたあたらしい芸術に注目し、6組のアーティストを紹介する。
昨年5月、京王井の頭線渋谷駅にある岡本太郎の巨大な絵画作品『明日の神話』に、大破した原子炉を連想させる絵画をゲリラ的に付け足し書類送検されたことでも話題になった男女6人組のアーティスト集団「Chim↑Pom」。その“騒動”からもわかるように、社会問題を自分たちの問題としてとらえ、強烈な社会的メッセージを放つ、というのが彼らのスタイルだ。福島県相馬市の若者と被災地で制作した映像作品がニューヨークのMoMAで展示されるなど、海外での評価も高い。今回のアートフェアでは、現在台湾で進めているプロジェクトが展示紹介されるほか、過去の作品がDVDなどの形態で購入できる予定だ。
独自の表現を追求する新進作家
柴田英昭と松永和也2人で活動する「淀川テクニック」は、家具を販売する。河川敷などに落ちている雑多なゴミを拾い、それを材料に作品を作るといった活動で注目されているユニットだ。大阪の淀川を活動拠点とするが、赴いた先では地域の人びとともにゴミ=材料を集め、地域とのコミュニケーションを楽しむことも活動の一環としている。津波で大きな被害を受けた宮城県仙台市若林区でも、被害を受けた防風林を被災者とともに集め、作品を制作した。今回販売される家具も、ゴミを材料に制作したもの。
6組のアーティストのなかでもひときわユニークなのが、主に声をテーマにしたパフォーマンス作品で知られる山川冬樹だ。「パ」という音節を決して使わずに1年間過ごすというパフォーマンスや、ソニーウォークマンのコマーシャルで話題になった骨伝導マイクを使ったハミングのパフォーマンスなどで知られ、“身体内部で起きている微細な活動や物理的現象をテクノロジーによって拡張、表出”するのが目的だという。今回はギターを使ったインスタレーション作品などが展示販売される。
そのほか、ホコリや髪の毛を使ったインスタレーション、望遠鏡で鑑賞する作品で知られる岩崎貴宏、海外からはオーストラリアの映像アーティスト、ヒース・フランコや、欧米の有名ブランドロゴをあしらった作品で人気を集める韓国のソン・ドンヒョンらが出展する。多彩な芸術作品が揃うアートフェアのなかでも、刺激に満ちた最先端の表現がここにあるはずだ。
アートフェア東京 2012|ART FAIR TOKYO 2012
3月30日(金)11:00-21:00
3月31日(土)11:00-20:00
4月1日(日)10:30-17:00
※入場は終了30分前まで
東京国際フォーラム 展示ホール
東京都千代田区丸の内3-5-1
Tel.03-5771-4520(アートフェア東京実行委員会)