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2025年11月14日
なぜ、日本酒にアートボトルが必要なのか? SAKE HUNDRED「百光」初の5年熟成をロメロ・ブリット氏が彩る
SAKE HUNDRED|サケハンドレッド
「飲んで終わり」ではない、日本酒の新しい価値——。
2025年11月5日、SAKE HUNDREDが世界的ポップアーティスト ロメロ・ブリット氏とコラボレーションした税込み110万円の特別な一本を、全世界100本限定で発売した。葛飾北斎の名画「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」にインスパイアされた鮮やかなアートワークが、ボトルを芸術作品へと昇華させているのだ。しかしなぜ今、日本酒にアートボトルが必要なのか。その答えは「感動を永続化させる」という、まったく新しい価値の創造にあった。
Text by TSUCHIDA Takashi
感動を永続化させる——アートボトルという答え
「日本酒は、飲んで味わう瞬間の感動を届けます。でも、その感動は一瞬で消えてしまう。一方、アートは視覚や造形を通じて感性を揺さぶり続ける。この二つが融合することで、味わった瞬間の感動が、視覚的な記憶として永遠に刻まれ続けるんです」
11月4日に都内で開催されたメディア発表会で、SAKE HUNDREDブランドオーナー兼Clear代表取締役CEOの生駒龍史氏はこう語った。人生の特別な瞬間を記念する、かけがえのない存在となる。これがSAKE HUNDREDが考える「アートボトルの価値」である。
「SAKE HUNDREDの真っ白なラベルは、完成されたデザインではあるんですが、同時にキャンバスにもなり得ると思っていました。その白い菱形のラベルを、何か良い形で、クリエイティビティを発揮してくれる方とのコラボレーションができないかと考えていたんです」
そして今回、その白いキャンバスに色彩を与えたのが、世界的ポップアーティスト、ロメロ・ブリット氏だった。
このコラボレーションが実現したきっかけは、運命的な出会いだった。昨年、ロメロ・ブリット氏が来日した際のパーティーで、参加者がギフトとして「百光」を持参。ブリット氏が一口味わった瞬間、「今までの日本酒とは全然違う!」と感動し、アメリカに戻ってからも「あれは美味しかったね」と話題にしていたという。
生駒CEOは、ブリット氏の作品に深く共鳴した理由をこう語る。
「ロメロ・ブリット氏の作品は、まるで太陽のように人々を照らし、前を向く力を与えてくれます。その輝きに深く共鳴しました。常に新たなスタイルを追求し続けた葛飾北斎と、ポジティブなエネルギーで人々の心を照らし続けるブリット氏。この二人によるアートと日本酒、異なる表現手法が交わることで生まれる“文化の共鳴”を、世界に響きわたらせたかった」
ロメロ・ブリット氏本人からも、深い想いが寄せられている。
誰も味わったことのない、5年熟成の奇跡
今回、ロメロ・ブリット氏のアートワークを纏うのは、「百光」初の熟成酒という、もう一つの特別な存在だ。
「まだ誰も味わったことのない、まだ誰も体験したことのないようなことを、自分が経験してみたい。そして一人でも多くの方に味わっていただければ。それくらい、今までなかった豊かさや充実感をお客様に提供できる商品だと思います」
生駒CEOがそう語る「百光 ROMERO BRITTO - Hokusai Edition -」は、ここ数年完売が続く人気商品「百光」の中でも、特別に選抜された2020年醸造のヴィンテージである。
「この年は、特に酸の優位性がありました。酸のあるお酒というのは、熟成した時にも非常に輪郭がはっきりしますし、長期間の熟成に耐える一つの要素です」
当時から熟成の可能性を感じていた生駒CEOは、少量を選抜。5年という歳月の間、氷温と5度の低温という2つの温度帯で緻密に熟成を設計した。そして何度もテイスティングを重ね、ついに「今が、その時」と判断を下したのだ。
「試飲するタイミングが一番憂鬱なタイミングです。『美味しくないな』と思ったら売っちゃいけないから。今までお蔵入りさせた商品があるぐらいです。しかし、このヴィンテージの『百光』を試飲した時、あまりにも美味しかった。『百光』の透明感と熟成によって得られる複雑性が綺麗にマッチした商品で、これは自信を持ってお届けできると確信しました」
その突き抜けるような透明感を実現しているのが、精米歩合18%という極限まで磨き上げられた米だ。
「200時間くらいかけてお米を磨きますし、普通の精米機だと回転で当たった時に米が割れてしまうので、工業用ダイヤモンドを大量に吹き付けてお米を削っています。ダイヤを使って米を磨くという、非常に贅沢な仕様です」
原料は、有機栽培米「出羽燦々」。米本来の旨味や甘味が引き立ちやすいこの品種を、人の手で雑草を一つひとつ取り除きながら丁寧に育てたものだ。しかし現在、農家の世代交代などの事情により、この米の入手は困難になっている。
「有機栽培米の出羽燦々を使った『百光』というのは、現状、市場に流通するものはこの100本だけ(※)。今では手に入れることが叶わない、希少な『百光』です」
※2024年より、『百光』の酒米は雪女神に変更。
この特別なヴィンテージは、温度によって異なる表情を見せる。
「基本的には5℃くらいでキーンと冷やしていただいても、全く問題ない。むしろ『百光』の透明感とか、甘味、旨味、酸味のバランスは、5℃くらいの方が均一なバランスになります。5℃では酸の透明感が強く感じられるんです」
さらに、熟成によって得られた複雑性は、温度が上がった時に真価を発揮する。
「面白いのは、常温に近い、十数℃くらいの温度帯になった時の、複雑な味わいの広がり。いわゆるフルーティーなお酒って、温度が上がるとモタつくことがあるのですが、それがなかった。熟成によってある程度立体感があるので、温度が上がっても味わいは非常にクリアなままなんです」
今飲んで、もちろん美味しい。しかし、この一本が持つ可能性は、それだけに留まらない。しかるべき環境で保管することで、さらなる高みを目指すこともできる。ワインやウイスキーと同様に、日本酒もまた熟成によって価値が深化していく——そうした未来への投資的な視点で保有するという選択肢も、この一本には存在している。飲むべきか、寝かせるべきか。その判断もまた、この特別な一本が与えてくれる贅沢な愉しみだ。
時を超えた共鳴、そして未来へ
この体験は、ボトルを手にしただけでは終わらない。購入者全員を、2026年7月末から8月上旬に都内で開催予定の「SAKE HUNDRED特別ペアリングディナー」へ、ペアで無料招待されることがアナウンスされている。ロメロ・ブリット氏本人が来日するタイミングに合わせ、SAKE HUNDREDの全ラインナップ——ヴィンテージアイテムの「現外」「礼比」を含む限定ペアリングを堪能する一夜だ。
「SAKE HUNDREDには、さらに醸造年度が古いヴィンテージのお酒がありますが、それも含めて全てのSAKE HUNDRED銘柄を楽しめるようなスペシャルなペアリングディナーです。購入いただいた方々とのコミュニティを作っていく。お酒やアートワークを通じて、その価値を広げていく人たちとともに、また会う機会を作っていければ」
芸術と日本酒、二つの文化が交差する特別な時間。モノ、コト、人——三つの要素が融合した体験がここにある。
SAKE HUNDREDは、日本酒を通じて日本文化の奥行きと美しさを世界へ伝えることを一貫して大切にしている。カンヌ国際映画祭、大阪万博イタリアパビリオン、Art Fair Asia FukuokaやTokyo Gendaiなど大規模なアートフェアへの協賛、現代日本画家 大竹寛子氏とのコラボレーションなど、アートと日本酒が持つ文化的価値を結びつけてきたのだ。
生駒CEOは、このプロジェクトに込めた想いをこう語る。
「『百光』を口にした瞬間、色彩のように広がる感動と余韻。それはまるで、希望という名の光が、心にやさしく差し込むように、忘れがたい時間とともに、人生をより豊かに、あたたかく満たしていきます。人生をポジティブに照らし出す、それはSAKEHUNDREDのブランドメッセージに他なりません」




百光 ROMERO BRITTO - Hokusai Edition -
原料米|山形県産出羽燦々(有機栽培米)100%
精米歩合|18%(工業用ダイヤモンドで200時間研磨)
アルコール分|15.7%
醸造年度|2020年
熟成年数|5年(氷温+5度低温の二段階熟成)
製造者|楯の川酒造(山形県)
内容量|720ml
価格|110万円(税込)
数量|全世界100本限定
販売|SAKE HUNDREDブランドサイト、百貨店各社ほか
商品ページ|https://jp.sake100.com/pages/romerobrittoedition-purchase
購入者特典|2026年7月末〜8月 特別ペアリングディナーにペアで無料招待(ロメロ・ブリット氏本人同席予定、SAKE HUNDRED全ラインナップを堪能)
問い合わせ先
SAKE HUNDRED

