BOOK|エース・ホテルを手がけたデザインスタジオ、10年間の軌跡
BOOK|エース・ホテル・ニューヨークからフェイスブック社の社員食堂まで
10年間のプロジェクトの全貌を振り返る『ローマン アンド ウィリアムスの軌跡』
イマジネーションあふれるインテリアデザインで注目を集めるニューヨークのデザインスタジオ「ローマン・アンド・ウィリアムス・ビルディングス&インテリアズ」。彼らの10年間の仕事を網羅した、作品集の完全和訳版『ローマン アンド ウィリアムスの軌跡』がグラフィック社より刊行された。
Text by YANAKA Tomomi
美しい写真とドローイングで読み応え、見ごたえのある1冊に
ニューヨークを拠点に、建物の設計からデザインまで幅広いプロジェクトを、独自のセンスで形にしてきたローマン・アンド・ウィリアムス・ビルディングス&インテリアズ。ハリウッドで美術監督としてキャリアを積んできたスティーヴン・アレッシュと、ロビン・スタンデファーにより設立され、そっけないほどシンプルなデザインと濃厚なバロック様式を併置したり、高級なアイテムと格安なアイテムを意外性をもってミックスする方法は、いまや注目の存在だ。
なかには、うち捨てられ、寂れた建物に成り果てていたホテルを、人びとを魅了する空間「エース・ホテル・ニューヨーク」に変貌させたり、ベン・スティラーやケイト・ハドソンらのセレブの住居空間をイマジネーションあふれるデザインで作り上げるなど、その手腕と発想で多くの人を魅了してきた。
本書では、ロイヤルトンホテルのロビーやフェイスブック社の社員食堂まで、ローマン アンド ウィリアムスの二人の10年に及ぶプロジェクトの全貌を収録。重厚感のある装丁を開くと、美しくインパクトのある写真が目に飛び込み、作品へのこだわりやコンセプト、そしてエピソードも彼らの言葉で綴られている。またスティーヴン・アレッシュによるドローイングや図面、完成予想図も併せて掲載。読み応え、見ごたえのある内容は、読者を彼らの世界へとトリップさせる。
私たちにさまざまなイマジネーションをもたらしてくれる二人のプロダクト。インテリアに興味がある人は、必携の1冊だ。