LOUNGE /
BOOK
2015年2月2日
BOOK|ニューヨークのアートシーン30年の記録
BOOK|ニューヨークのアートシーン30年の記録
杉浦邦恵『ニューヨーク・アート、ニューヨーク・アーティスト』
雑誌『美術手帖』に1986年から2008年まで掲載された、写真家としても活躍する杉浦邦恵さんがニューヨークから寄稿してきたアートレポート。その30年にもおよぶレポートを収録した『ニューヨーク・アート、ニューヨーク・アーティスト』が美術出版社から刊行された。
Text by YANAKA Tomomi
巨匠らへのインタビューから、村上隆らの日本人アーティストの初期の個展レビューまで
シカゴ美術学校を卒業した1967年からニューヨークに移り住み、以来約半世紀にわたりニューヨークのアートシーンを見つづけている杉浦邦恵さん。写真家としての活動や作品の発表をおこなうと同時に、1986年から2008年まで雑誌『美術手帖』にニューヨークレポートが連載されてきた。
展覧会のレポートやアーティスト・インタビューなどあわせてその数400本以上。本書ではそのなかから厳選された135篇をセレクト、まとめられた。
なかにはジャスパー・ジョーンズやシンディ・シャーマン、ウォルター・デ・マリア、リチャード・セラといった巨匠も登場。さらに、河原温、村上隆、杉本博司といった日本人アーティストの比較的初期のニューヨークでの個展レビューも再録されたほか、杉本さんによる写真作品も収録された。
ニューヨーカーであり、アーティストとしての顔をもつ杉本邦恵さん。まさに生き字引のような彼女だから書くことができるレポートは移りゆくニューヨークのアートシーンの刺激的なきらめきをいま、私たちに伝えてくれる。