BOOK｜『片山正通教授の「好きなこと」を「仕事」にしよう』

BOOK｜豪華“先輩”たちによる夢の講義「インスティゲーター」が1冊の本に

『片山正通教授の「好きなこと」を「仕事」にしよう』

インテリアデザイン界のフロントランナーとして知られ、武蔵野美術大学の教授でもある片山正通氏。彼が実際に教室で繰り広げる話題の講義を収録した『片山正通教授の「好きなこと」を「仕事」にしよう』が、マガジンハウスから出版された。

Text by YANAKA Tomomi

時代のリーダーが語る人生、仕事とは

自身の事務所、ワンダーウォールを率いる片山正通氏は、銀座やニューヨーク、パリに位置するユニクロのグローバル旗艦店、青山に今年誕生し、あらたなレクサスの聖地となった「INTERSECT BY LEXUS - TOKYO」など、世界中のブティックやショップのインテリアデザインを手がけてきた。

その一方で、2011年には武蔵野美術大学空間演出デザイン学科の教授に就任。そんな“片山教授”が学生に向けて開催している特別講義、「インスティゲーター（instigator）」を完全収録した書籍が発売された。

片山正通氏

「インスティゲーター」の講義風景

扇動者を意味する「インスティゲーター」では、業界を、時代をリードする佐藤可士和氏や中田英寿氏、NIGO®氏、本広克行氏、名和晃平氏といった5人の“先輩”が登場。片山氏との対談が繰り広げられた。

まるでライブ会場のように学生たちが長蛇の列をつくり、毎回整理券を配らなければならないほどの熱狂を巻き起こしているこの授業。壇上で先輩たちが教えくれたのは、「好きなこと」を「仕事」にしよう、というシンプルなメッセージだった。

彼らがどのような少年時代や学生時代を過ごし、進路を決めたのか。そして、仕事についてからどんな転機を迎え、困難をどのようにして乗り越えたのか……。講義の内容を完全収録するとともに、毎回会場に集う約500人もの学生たちが発する熱気や息づかいまでもが記録されている。

この講義をさらに“特別”にしているのは、ゲストが登壇するまでの時間、教室に音楽が流れていること。選曲を担当するのは、ミュージシャンの大沢伸一氏。毎回ゲストに合わせて、さまざまなジャンルから楽曲をセレクトし、流しているという。

12月18日（水）には、書籍の刊行に合わせて、公式コンピレーションCD『Music for instigator Compiled by Shinichi Osawa』の発売も決定。講義のスタートを飾る、書き下ろしのオリジナルテーマ「instigator theme」など、すべて大沢氏監修のもとにコンパイルされている。

「僕がいま大学生だとして、どんな話を聞いたら、これからの人生が有意義な時間に変わっていくのだろう？」という、片山氏の自身への問いかけからスタートした特別講義。夢を見出すことが困難なこの時代に、ビジョンを持ち、好きなことを仕事にしてきた“先輩”たちの言葉は、大人になった私たちの心にも強く響くはずだ。