BOOK|これからの音楽のあり方とは? 『Tweet & Shout ニュー・インディペンデントの時代が始まる』
LOUNGE / BOOK
2014年12月9日

BOOK|これからの音楽のあり方とは? 『Tweet & Shout ニュー・インディペンデントの時代が始まる』

BOOK|東日本大震災以後、SNS時代におけるクリエイターのあり方を考察する

津田大介『Tweet & Shout ニュー・インディペンデントの時代が始まる』

メディア・アクティビストとして活躍する津田大介の最新作『Tweet & Shout ニュー・インディペンデントの時代が始まる』が、スペースシャワーブックスより刊行された。コンテンツ産業、とりわけ音楽産業に携わるクリエイターが、これからの時代にあるべき姿を説いた一冊。

Text by IWANAGA Morito(OPENERS)Photographs by JAMANDFIX

音楽はどうなる?

iTunes、Napstar、Youtube、Spotify――。ウェブ上における音楽・動画配信サービスの隆盛とともに、既存のCDセールスを中心とした音楽産業は現在、非常に厳しい状況がつづいている。本書では、これまでの音楽業界のシステム、そしていま、音楽シーンで起きている現象を解剖していく。

音楽配信サービスを加速度的に成長させたのが、本書のタイトルにも用いられているツイッターやフェイスブックなどのSNSサイトだという。それは、マスメディアに頼ることなく、レコード会社に口出しをされることもなく、ファンとアーティストの関係を構築する、あたらしい交流の手段となった。

音源や動画などをアーティストがDIY的に公開、コンテンツはSNSを介して広がっていく。また、相互に干渉できるコミュニティのなかで、フィルターを通さずにおこなわれるコミュニケーションは、アーティストとファン双方に“伝わる”という実感をもたらした。

東日本大震災以後、音楽に求められるものは明らかに変化した。そのなかでアーティストは、積極的にSNSを活用していた。CDにパッケージするというプロセスを省略し、告知をSNS上でおこなうことで、アーティストが“いま”抱えている感情を込めた作品を、リアルタイムでファンが共有できるというのだ。既存の流通方法や慣習にとらわれない「ニュー・インディペンデント」なアーティストこそが、いま必要とされているのかもしれない。津田大介が本書を送り出した意図を感じとってほしい。

BOOK|津田大介『Tweet & Shout  ニュー・インディペンデントの時代が始まる』02

『Tweet & Shout ニュー・インディペンデントの 時代が始まる』
著者|津田大介
発行|スペースシャワーブックス
ページ数|272ページ
価格|998円
発売中

           
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