女性たちは、めまぐるしい社会の動きのなかでその装いを更新してきた。
序盤の「コルセットからの解放」に見られる服装の変化は顕著であり、男性とおなじ職場で競うようになる1920年代には、シンプルなスカート・スーツが必要とされた。とくに、イヴ・サンローランが発表した「パンツスーツ」でのフォーマルな装いは、女性の独立を象徴するものとしてピックアップされている。

1950年代の「ティーンエイジャー」という勢力も、これまでにない市場ターゲットとなった。20世紀半ばに登場した、若者のサブカルチャーに由来する“モッズ”や“ヒッピー”などの独自のスタイルは、その代表的なものだ。

1960年代前半を席巻した“モッズ”

1931年に登場した女性用としては初となる肩幅の広いスーツ

ファッションデザイナーについては、彼らの手がけた画期的なアイテムに関連させて紹介。エルザ・スキャパレリの「肩パッド」など、変革の立役者たちは、のちにデザイナーの代名詞となるようなアイテムをつぎつぎと生み出してきた。

本書の主役である「アイデア」は、制作中に議論をつづけながら選ばれたものだという。最終的には、ファッションの流れを変え、それがなければ今日のファッションがちがうものになっていたとおもわれるトピックを厳選している。

ファッションをより深い理解をもって楽しめる一冊

著者のハリエット・ワースレイは、本書冒頭でこう語る。

「これまで110年間の発展が最高のものであったとしたら、2110年がどうなるか想像してみてほしい。本書に登場する最後のアイデアは、驚くべき未来を示唆しているが、それははじまったばかりのこと。次のアイデアはいったいなんだろう？　挑戦的でドラマティックで、想像できないものがあらわれるにちがいない」

1900年からわずか1世紀で、ファッションは実に大きな変容を遂げた。本書を手に取り、現在のファッションシーンにも受け継がれているアイデアを俯瞰することで、これからのファッションをより興味深いものとして楽しめるようになるだろう。

『100 IDEAS THAT CHANGED FASHION　ファッションを変えた100のアイデア』本誌を3名様にプレゼント！

応募締切｜12月28日（金／午前10時まで）
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『100 IDEAS THAT CHANGED FASHION　ファッションを変えた100のアイデア』

著者｜ハリエット・ワースレイ
発行｜ビー・エヌ・エヌ新社
サイズ｜A4判変型
ページ数｜216ページ
価格｜3150円

http://www.bnn.co.jp/books/title_index/design/100_ideas_that_changed_fashion.html