BOOK|津田大介『ウェブで政治を動かす!』
BOOK|ネット界の寵児が説くあたらしい政治へのアプローチ
津田大介『ウェブで政治を動かす!』
ジャーナリストや“メディア・アクティビスト”として活躍する津田大介氏の新刊、『ウェブで政治を動かす!』が朝日新書から出版された。
Text by YANAKA Tomomi
ソーシャルメディアを駆使して私たちが社会を変えられる時代
マスメディアやソーシャルメディアという垣根を越えて活動を展開する津田氏。国の文化審議会著作権分科会においても、複数の小委員会で専門委員を務めたほか、ツイッターのフォロワーが23万人を超えるなど、その発言力に注目が集まる気鋭のジャーナリストだ。
新刊の『ウェブで政治を動かす!』は、「ソーシャルメディア+マスメディア=?」や「ネット世論を考える」、「きみが政治を動かす」など全9章で構成。政局報道一色のマスメディアによって、私たちが“政治的無関心”にさせられてきたと論じる津田氏。身近なフェイスブックやツイッターを駆使することで、私たち自身が社会を変えられる時代が来ていると説いている。
その一例として、首相官邸前で毎週金曜に開催し、回を重ねるごとに参加者が急増した「反原発デモ」におけるソーシャルメディアの果たした役割の大きさについて言及。あらたなメディアが、これまでデモに参加することのなかった人たちを巻き込み、大きなうねりへ変化したと論じるなど、ネットのもつ可能性や“次世代民主主義”について、さまざまな例を挙げながら紹介している。
「もう政治を信じられない」「どうせ何も変わらない」という閉塞感をもつ人に向けて、ネット界の寵児が説くあたらしい政治へのアプローチ。国の行く末を左右する大きな選挙を控えるいまだからこそ読みたい1冊だ。
津田大介|TSUDA Daisuke
1973年生まれ。東京都出身。早稲田大学社会科学部卒業。ジャーナリスト/メディア・アクティビスト。一般社団法人インターネットユーザー協会(MIAU)代表理事。主な著書に『Twitter社会論』(洋泉社新書y)、『動員の革命』(中公新書ラクレ)などがある。2011年9月より週刊メールマガジン「津田大介の『メディアの現場』」の配信を開始。
公式ツイッター
https://twitter.com/tsuda