LOUNGE /
BOOK
2014年12月16日
BOOK|1950~70年代、大阪に建てられたビルにスポット『いいビルの写真集 WEST』
BOOK|1950~70年代の大阪で建てられたビルにスポット
ビル好き集団が放つ『いいビルの写真集 WEST』
大阪を拠点に、1950~70年代に建てられたビルの魅力を発信している「BMC(ビル・マニア・カフェ)」。彼らによる『いいビルの写真集 WEST』が出版された。
Text by YANAKA Tomomi
レトロでありながらどこかモダンな個性をもったビルたち
欧米の影響を強く受けながらも、高度経済成長の後押しを受けて日本が独自に発展し、のびのびと楽しくデザインされたプロダクトや建築、独特の文化が花開いた1950~70年代。そんな時代に大阪に建てられた“いいビル”にスポットを当てた写真集が誕生した。
手がけたのは、ビル好き集団の「BMC(ビルマニアカフェ)」。高岡伸一さん、阪口大介さん、夜長堂(よながどう)さん、姉崎由美子さん、岩田雅希さんの5人が2008年に結成し、大阪を拠点に雑誌『月刊ビル』を発行したり、イベントを開催したりと多角的にビルの魅力を発信している。
本書の第1章は、「いいビル20選」と題し、現代にも通用する新鮮さをもつ現役のビルが数多く登場。村野藤吾ら有名建築家によるビルから、装飾過剰なビル、端正なビルまで、レトロでありながらどこかモダンな個性をもったビルが紹介されている。
また、第2章ではタイルや窓、サイン、階段、インテリアなどこだわりのポイント別に「いいビルのみどころ」を解説。このほかにも、ビルとひとにまつわるストーリーや「いいビルの使い方」など、大阪という土地と時代が組み合わさって建てられたオリジナリティあふれるビルを、とことん楽しめる内容となっている。
熱気に包まれた時代に生み出され、今なお渋く、つやっぽく、自由なデザインでたたずむビルたち。ともすれば、私たちの生活の場にありながらも、当たり前すぎて気づかなかったビルの、またひいては街の美しさ、面白さを再発見させてくれる1冊だ。