操上和美 写真誌『CAMEL 』創刊 第1号 featuring 清原和博
NEWS|写真誌 『CAMEL 』創刊
第1号 操上和美 featuring 清原和博
2009年11月15日、写真家・操上和美がみずからの写真哲学をあますところなく表現した、写真誌『CAMEL』を創刊する。記念すべき第1号でフィーチャーするのは、魂のアスリート・清原和博。
Text by OPENERSPhotos by Kazumi Kurigami
1965年にフリーランスとなって以来、写真家・操上和美は、第一線を疾走、広告写真にみずからの表現を模索し緊張感に満ちた鮮烈な風を呼びこんできた。そんな彼の常に斬新な発想に挑みつづけようとする姿勢は、被写体の深奥と呼応しスパークする瞬間に鋭くせまるポートレートや、街のふとした日常風景を鮮烈にとらえつつ膨大に撮影されてきたスナップショットにあらわれている。
仕事はもとより、個展、写真集にもおさまりきらなかった、じつに膨大な作品群は、操上和美の人生そのものと同化し、現在も増殖をつづけている。写真家という種が自ら野に放つ、徹底的に自在な写真表現。それが『CAMEL』だ。
第一号では、不動の人気を得ながら無冠の帝王として、故障や悲運を吹き飛ばすおおいなるキャラクターの持ち主として、2008年秋に惜しまれつつ23年のプロ野球人生を退いた、清原和博をフィーチャーする。
──プレスリリースはこう宣言している。そして、下記の操上和美氏の熱いことばがつづく。
2008年10月1日、京セラドームにて清原和博引退試合が行われた。オリックスVSソフトバンク。格別の野球ファンでもない私がTVのスイッチを入れたのも、あの稀代のスラッガー清原和博最後のユニホーム姿を見たいという欲望に占領されてのことだった。
試合開始前、満席のファンの熱狂と静寂のなか、王監督から花束が贈られ、左膝の大手術を受けて長いリハビリ生活から立ち返ってきた清原の耳元に監督が何かを囁いていた。
その日、観客は期待した強烈なホームランを見ることは出来なかったが、美しく放物線を描く大きなホームランを打つことに命を賭けてきた男はフルスイング、バットが力強く空を切って空振り三振。ファンの熱い拍手と熱狂の中、清原和博プロ23年の野球人生が幕を閉じた。
ジーンと来た!! 闘う男の孤独と悲しみ、魂の叫びを放つブラウン管に向ってシャッターを切る自分がいた。
スピードを充満させ、吠える肉体
呼吸する肉体、肉体に宿るもの
悲劇を背負った肉体の光と影。
後になって知ったことだが、あの時王監督は清原の耳元で「生れ変ったら、必ず同じチームでホームラン競争しような」といったそうだ。(『男道 清原和博』より)
──操上和美。1960年代から広告写真界の第一線を疾走してきた男。
記者はそのひとについて多くを知っているわけではない。けれどページをめくるたびに、このひとの生き様が、歩んできた人生が垣間見えたような、そんな気がした。
写真について深く語れるわけでもない。しかし、これほどまでに人の心を揺さぶるものなのか。操上氏の写真のもつチカラに身震いした。それが実感だった。
『CAMEL』No.1
KAZUMI KURIGAMI / KAZUHIRO KIYOHARA
フォトグラファー|操上和美
アートディレクター|町口覚
プロデューサー|本尾久子+木村抄子
発売日|2009年11月15日 (不定期刊)
定価|1890円
取り扱い書店|レインデイズ/青山ブックセンター/
ナディッフ/リブロ各店ほか、およびwww.kurigamikazumi.comにて販売
サイズ|H366×W294mm (A3変型)
ページ数|72ページ
お問い合わせ|
Fax 03-5155-1990
E-mail contact@kurigamikazumi.com