ART|サビーヌ ピガール写真展『TIMEQUAKES 時のかさなり』
LOUNGE / ART
2015年2月10日

ART|サビーヌ ピガール写真展『TIMEQUAKES 時のかさなり』

ART|宮廷肖像画、肖像写真、東京の風景を組み合わせて浮かびあがる時間の堆積

サビーヌ ピガール写真展『TIMEQUAKES 時のかさなり』

パリを拠点に活動する写真家サビーヌ ピガール(Sabine Pigalle)による写真展『TIMEQUAKES 時のかさなり』が、1月17日(金)から2月9日(日)まで、中央区・銀座のシャネル・ネクサス・ホールで開催。宮廷肖像画と現代の肖像写真、さらに東京の抽象的な写真を背景にもちい、何世紀にもわたる時代を圧縮したような作品が日本ではじめて一般公開される。

Text by YANAKA Tomomi

東日本大震災をきっかけに生み出された作品を日本ではじめて一般公開

1963年、パリに生まれたサビーヌ ピガール。大学卒業後にファッション写真の世界に入るも造形写真へ転向。これまでにキリストの最後の晩餐の女性版とフランドル美術の奇想天外な出合いを実現させた『DUTCH LAST SUPPER』(2012年)など、さまざまなものを交差させる作品で注目を集めてきた。

日本語で「時間の震え」を意味するタイトルの「TIMEQUAKES」。彼女は「東日本大震災に由来する私の経験から作品が生まれました。その体験のはけ口として、物質的な破壊という混沌を、時間の衝撃に置き換えたのです」と語る。

こうして、震災に衝撃と混乱を受けたピガールは、15世紀から17世紀にかけての宮廷肖像画と現代の肖像写真を組み合わせた。さらに、何回かの日本滞在中に撮影した夜の東京の抽象的な写真と組み合わせるというユニークな取り組みで時代の堆積を表現。ラファエロやレオナルド・ダ・ヴィンチといった巨匠たちの絵画を素材に、異なる時代の写真を重ねることで、時間の圧縮を進めた。

TIMEQUAKES 時のかさなり 02

ピガール自身が「15~16世紀のヒューマニストや宮廷人の肖像画に現代のポートレート写真を混ぜ込んで創作した奉納画」と語る連作。肖像画と抽象画、さらには過去と現在の芸術の架け橋となり生み出された作品は、コラージュのようにちがった層をみせることで、非時間性を与え、不思議な親近感をもって私たちの心に響いていく。

サビーヌ ピガール写真展『TIMEQUAKES 時のかさなり』

会期│1月17日(金)~2月9日(日)

時間│12:00~20:00

会場│シャネル・ネクサス・ホール

東京都中央区銀座3-5-3 シャネル銀座ビルディング4F

Tel.03-3779-4001

入場料│無料

           
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