ART|『プライベート・ユートピア ここだけの場所』展
ART│英国アートの“いま”を見る
『プライベート・ユートピア ここだけの場所』展
イギリスの公的な国際文化交流機関、ブリティッシュ・カウンシルの現代美術コレクションを一堂に展示する『プライベート・ユートピア ここだけの場所』。1月18日(土)から3月9日(日)まで、東京駅にある東京ステーションギャラリーで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
ブリティシュ・カウンシルのコレクションを一堂に展示
アートや英語、教育と社会の分野を中心に、世界100以上の国と地域で事業を展開しているブリティッシュ・カウンシル。昨年、日本での活動60周年を迎えた歴史ある公的機関は、アートの分野でも英国アーティストの国際的な活動を積極的に支援。特に英国の近現代美術を中心におよそ9000点を収蔵するコレクションは“壁をもたない美術館”を意味する「ミュージアム・ウィズアウト・ウォール」と呼ばれるほどだ。
そんなコレクションをまとめて、日本で見られるという貴重な機会となっている『プライベート・ユートピア ここだけの場所』。会場には、1990年代以降に多く制作されるようになったイギリスの現代美術が紹介される。登場するのは1990年代から活躍しつづけるギャリー・ヒューサムやサラ・ルーカス、イギリスが誇る画家ターナーを掲げた「ターナー賞」を2012年受賞したエリザベス・プライスら約30人による絵画や写真、映像、立体作品などおよそ120点。それらを「風景」「物語」「ユーモア」などをキーワードに読み解いてゆく。
マーカス・コーツが自身にシェービング・フォームを全身に塗り、蛾になったポートレート写真や、事実とフィクションを織り交ぜたインスタレーションで知られるマイク・ネルソンによるものなど、日常にありふれた品を応用したり、すぐそばにありながら知りえなかった世界へといざなう作品がずらり。
制度に支配された時代や、物質が溢れかえる時代を経て至った「プライベート」な時代.に、ここにしかない場所であると同時に、どこにでもつながっている「ユートピア」に生きる私たち。こんな時代だからこそ生み出された自由なブリティッシュ・アートの世界を覗いてみたい。
『プライベート・ユートピア ここだけの場所』
会期│1月18日(土)~3月9日(日) ※月曜休館
時間│10:00~18:00 ※金曜は~20:00
会場│東京ステーションギャラリー
東京都千代田区丸の内1-9-1
Tel.03-3212-2485
入館料│一般900円、高校・大学生700円、小・中学生400円