ART|笠井爾示写真展『MUSCOVITE』
ART│モスクワを舞台に真木よう子とシティスケープを写し撮る
笠井爾示写真展『MUSCOVITE』
笠井爾示(かさい・ちかし)氏による写真展『MUSCOVITE(モスコヴァイト)』が、1月17日(金)から1月29日(水)まで、渋谷区・代官山のギャラリー スピーク フォーで開催。女優の真木よう子を撮影した作品などが並べられる。
Text by YANAKA Tomomi
展示されるすべてのプリント作品を販売
表層的なモチーフの美醜だけではない、被写体の奥にあるなまなましい情景を捉えてきた写真家 笠井爾示氏は、1970年東京生まれ。青年期をドイツで過ごし、多摩美術大学を卒業した彼は、アメリカの著名写真家ナン・ゴールディン氏に見出され、荒木経惟氏に感化されるかたちで1997年に写真集『Tokyo Dance』を発表。国内外で注目を集めてきた。
以来、数多くの女優や俳優、ミュージシャンらの内面に迫り、昨年12月には女優の真木よう子をモスクワ郊外などで撮影した写真集『MUSCOVITE』を刊行。本展はこの出版を記念したものとなる。
モスクワのガラス、結晶の意味とともにモスクワ人を指す言葉でもある『MUSCOVITE』。笠井氏は真木よう子をモスクワ郊外で、フジフィルムのデジタルカメラ「FUJI FinePix X100」を手に撮影。写真集には別荘やホテルの室内、地下鉄など、プライベートシチュエーションでの彼女の自然な姿が収められた。
会場では、彼女のポートレイトにくわえ、モスクワのシティスケープなども織り交ぜ、本展のために制作された半切サイズのオリジナルプリント約30点を展示。プリント作品はすべてが販売されるほか、写真集などの関連アイテムも購入できる。
スナップ写真のライブ基調とドキュメンタリーアプローチでの視線で包まれ、真木よう子のひとりの女性としての生命の輝きをとらえた『MUSCOVITE』。あらたに引き出した真木よう子の魅力と、モスクワの空気も感じてほしい。