ART|アレックス・ゴードと渋谷忠臣による展覧会『和洋折衷』
ART│ライブペインティングなどで盛り上がったパーティをレポート
アレックス・ゴードと渋谷忠臣による展覧会『和洋折衷』
バルセロナを拠点に活躍する、アレックス・ゴード(Aleix Gordo)と、欧米でも高い評価を得ている渋谷忠臣(しぶや・ただおみ)。この二人のビジュアル・アーティストによる展覧会『和洋折衷』が、目黒区のみどり荘ギャラリーで開かれた。11月30日にはゲストを招いてのパーティも開催。音楽に合わせたライブペインティングなどが繰り広げられ、大いに盛り上がりをみせた。
Text by YANAKA Tomomi
「JKD Collective」のメンバーによるDJに合わせてペイント
幼少期から鳥山明や大友克典のアニメーションに触れ、“MANGAカルチャー”の影響を大胆に取り込んできたアレックス・ゴード。そして、さまざまなモチーフを直線的に再構築するスタイルが欧米のシーンで高い評価を得ている渋谷忠臣。興味深いバランスの上に立つ2人によるコラボレーションが実現した。
展覧会の開催前には、アレックスが和のテイストあふれる天狗を、渋谷忠臣は力強い仁王を描いたミューラルアート(壁画)を共同で制作。黒のラインが生かされ、2人のアーティストを象徴するように呼応した天狗と仁王が、ゲストを出迎えた。
オープニングパーティでは、約100人のゲストが参加。展覧会の名にちなみ、和洋折衷のユニークなフードやドリンクを堪能した。そして、当日の目玉となったのが、Bruce Ikedaにより立ち上げられた“オーディオ + ビジュアル混成アーティスト集団”「JKD Collective」のOlive OilとDr.IharaのDJに合わせた、2人のライブペインティングと壁へのミューラアートインスタレーション。迫力あふれるセッションで訪れたひとたちを魅了した。
「とても刺激的だった」と語る2人の共作。成熟期に入った日本のライブペインティング表現、そしてミューラルアートのいまを感じることができる一夜となった。今後とも2名のアーティストに注目だ。
アーティスト プロフィール
アレックス・ゴード
幼少期からドローイングをはじめ、これまでに出版や広告、イラストレーション、コミック、グラフィックデザインなどのフィールドでキャリアを積む。ローブローアートやストリートアートの影響を強く受けている彼のアートワークは、これまでにオランダ、ポルトガル、ブラジル、オーストリア、イタリア、インド、アメリカなど世界中の都市で展示。またNikeやVansといったトップブランドのとのコラボレーションなどもおこなってきている。近年ではイラストレーターやミューラリスト、ストリートアーティストとしての活動にフォーカスしている。
渋谷忠臣
さまざまなモチーフを直線的に再構築する独創的なスタイルで世界的に活躍。ヒップホップ等のブラックミュージックがもつグルーブ感、ロボットアニメーション、工業製品の文字の人工的なシルエットに影響を受け現在のスタイルに至る。欧米を中心にコマーシャルワークも数多く手がけ、2007年にはロンドンのBECK'S BEERの広告、2008年ジバンシィのバッグのエンブレムデザインなどを制作。海外での個展やグループ展での作品展なども多数開催するなど、アートシーンにおいて高い人気を誇る。
JKD Collective Inc.
Tel.090-4835-1105