ART|英国最高の巨匠、待望の大回顧展『ターナー展』
ART│テート美術館有する世界最大のコレクションの傑作が一堂に来日
英国最高の巨匠、待望の大回顧展『ターナー展』
西洋美術史に燦然と輝く風景画の傑作を生み出してきた、巨匠ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851年)。彼の世界一のコレクションを誇る英国屈指のテート美術館のコレクション約110点が日本にやってくる待望の回顧展『ターナー展』が開幕。10月8日(火)から12月18日(水)まで東京都美術館で開催される。
Text by YANAKA Tomomi
自然の崇高な美、光と色彩を追い求めたターナー
生涯をつうじて自然の崇高な美を探究してきたターナー。10代で英国の風土や名所旧跡を描く地誌的水彩画家として出発し、その後油彩画にも取り組み、自然の劇的な変化を描いた壮年期や、光と色彩が溢れる幻想的かつ詩情に満ちた晩年の作品まで、ロマン主義を代表する大家として知られる。
クロード・モネや後のフランス印象派の画家たちにも大きな影響を与えたとされ、日本ではイギリスに留学していた夏目漱石が愛した画家としても知られる。そんなターナーのコレクションを多数に収蔵しているのが英国屈指の美の殿堂、テート美術館。1500年以降の英国美術と国際的な近代美術、約7万点もの作品を収めるなかで、ターナーの作品は2万点以上にものぼり、質、量ともに世界最大のターナーコレクションを誇っているのだ。
今回は、そのなかから厳選された110点が来日し、油彩画の名品30点以上にくわえ、水彩画やスケッチブックなどを展示。才能きらめく10代の習作から、若くして名声を確立しながらも批判を恐れずにあらたな表現を追求しつづけた壮年期の代表作、70代の到達点にいたるまで、栄光の軌跡をたどるという。
日本でも高い人気を誇りながら、まとめてみることの機会が少ない巨匠の待望の大回顧展。16歳でイギリス国内を旅して以来、ヨーロッパ各地を訪れ風景画を描いてきたターナーが見つめた当時の風景、雄大な自然への旅へとわたしたちをいざなう。