ART|須田一政写真展『凪の片』が東京都写真美術館で開催
ART│代表作をはじめ、初期の未発表作や新作まで紹介
須田一政『凪の片』を東京都写真美術館で開催
国際的にも高い評価を得る写真家の須田一政(すだ・いっせい)による写真展『凪の片(なぎのひら)』が、9月28日(土)から12月1日(日)まで目黒区・恵比寿の東京都写真美術館で開かれる。代表作はもちろん、初期の未発表作品から初公開となる新作まで、須田の軌跡が一堂に展示される。
Text by YANAKA Tomomi
写真家 鈴木理策らとの対談も
須田一政は1940年、東京・神田生にまれ、若き日は寺山修司が主宰する演劇実験室「天井桟敷」の専属カメラマンとして活動。1971年からはフリーランスとして、洒脱な視点と卓越した技術で人間、生活、街の裏側へと視線を誘うような写真群を発表し、土門拳賞を1997年に受賞するなど、国内外での評価も高い。
本展では、須田一政の四隅にまで緊張感に満ちた写真スタイルが確立された作品として知られる『風姿花伝』や、江戸っ子の須田が戦後の混乱期からバブル時代までの東京の“瞬間”を切り取った『東京景』といった代表作を展示。
また、須田自身が「開けない」と自宅に封印していたネガの箱からも登場する初期の未発表作『紅い花』や、恐山への旅をまとめた1960年代の『恐山へ』なども紹介。さらに、現在の須田の住居である千葉周辺で近年撮影された新作『凪の片』も初公開される。日常と非日常を往還するような作家の視線が一片の写真となって展示される。
会期中には須田一政とゲストによる対談も10月5日(土)と11月2日(土)に開催。10月5日(土)はブックデザイナーの鈴木一誌と、11月2日(土)は写真家の鈴木理策とのトークが繰り広げられる。
いまは無き風景や人物像、昭和から現在へと引き継がれる日本の風俗を特異な視点で切り取ってきた須田一政。彼の作品が網羅される、今回の展示会は必見だ。
須田一政『凪の片』
会期│9月28日(土)~12月1日(日)
時間│10:00~18:00 ※木曜、金曜は~20:00
会場│東京都写真美術館
東京都目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
Tel.03-3280-0099
観覧料│一般600円、学生500円、中高生・65歳以上400円
作家とゲストによる連続対談
日程│10月5日(土)、11月2日(土)
時間│15:00~17:00
ゲスト│10月5日(土)鈴木一誌(ブックデザイナー)
11月2日(土)鈴木理策(写真家)
会場│東京都写真美術館
定員│各日70人 ※当日10:00より整理券を配布
担当学芸員によるフロアレクチャー
日程│会期中の第1、第3金曜
時間│14:00~