ART|ドイツ人アーティスト、アンセルム・ライラ個展『INTO THE VOID』
ART│日本初個展をカイカイキキギャラリーで開催
ドイツ人アーティスト、アンセルム・ライラ個展『INTO THE VOID』
ドイツ人アーティスト、アンセルム・ライラによる日本初の個展『INTO THE VOID』が9月21日(土)から10月18日(金)まで港区元麻布のカイカイキキギャラリーで開かれる。個展にあわせたキュレーション展なども開かれ、アンセルム・ライラの世界を日本で初披露する。
Text by YANAKA Tomomi
中野ブロードウェーではキュレーション展も
近年ドイツで抽象表現主義と形式主義を扱うアーティストの代表的存在として知られるアンセルム・ライラ。1970年にドイツで生まれ、現在ベルリンを拠点に活動。2009年からは大学でペインティングの教授としても後進の育成に力を注いでいる。
その作品はキッチュなファウンドオブジェを使用し、ネオンカラーなどの強烈な色使いが特徴。都会でよく見かけるアクリルや鏡、コンクリートなど既存のマテリアルに、蛍光塗料やネオンライトなど、ある意味“違和感”を与える素材を組み合わせることで、それらの本来の用途から解放するとともに、あらたな意味とコンセプトを加えて蘇らせている。
日本初となる今回の個展では、クラシカルなタイプの作品のみならず、壁一面に消火器を噴射した大胆なペインティングや、レーザー、廃材などで仕上げた作品も展示。既存のマテリアルが華やかに演出されることで、強烈なアンビバレンスと無限の可能性を感じさせ、観る者の想像力を掻き立てるものとなった。
また、個展の初日となる9月21日(土)には、中野ブロードウェイにあるカイカイキキのアート雑貨店Hidari Zingaro、Oz Zingaro、Kaikai Zingaroの3店舗でアンセルム・ライラによる大規模なキュレーション展『SPECTRA VISION』も開催。ライラが大学で自ら指導している学生を含む、若手アーティスト6人による多彩な作品が紹介される。
このほかにも、9月22日(日)に開かれ、カイカイキキを主宰する現代美術家の村上隆がプロデュースし、アーティストを発掘する芸術の祭典『GEISAI#19』の審査員を務めることも決定しているというアンセルム・ライラ。彼が長年にわたりあたためつづけ、広がりつづける抽象作品による“無限の世界”をこの秋、体感してみたい。