ART|『Jeux de mains メゾンを紡ぎだす手』展
ART│シャネルのクリエーションの数々をうみだす職人の手を彫刻に
彫刻家カイディン モニック ル=ウエラー
『Jeux de mains メゾンを紡ぎだす手』
アフリカのコートジボワールを拠点に世界で活動する彫刻家カイディン モニック ル=ウエラー。彼女によるシャネルのクリエーションを生み出す職人たちの手を彫刻にした作品展『Jeux de mains メゾンを紡ぎだす手』が9月10日(火)、中央区・銀座のシャネル・ネクサス・ホールではじまった。10月6日(日)までの開催となる。
Text by YANAKA Tomomi
カイディン自身がさまざまなアトリエを訪問
これまで、フランスのファッションを支えてきた伝統的なクチュリエの貴重なノウハウを継承するだけでなく、今後も成長をつづけられるようにと、クチュリエのアトリエを傘下におさめるなど技術とクラフトマンシップを守ってきたシャネル。その技術とカール ラガーフェルドのデザインによるメティエダールコレクションも毎年発表されてきた。
そして今回、カイディン モニック ル=ウエラーによる、シャネルの美しいアイテムの数々を卓越した技術で形づくっていく、職人たちの手の彫刻のプロジェクトがスタート。
フランス人の父とベトナム人の母をもち、10代からアフリカで生活、創作活動を行ってきたカイディン モニック ル=ウエラーは、これまでにイサムノグチと創作をともにしたほか、アフリカの自然に触発されたインスタレーション作品などを発表。2007年には、松尾芭蕉の足跡をたどって北日本を訪れ、俳句からインスピレーションを受け、ラテン語で「本来の場所にて」という意味のインスタレーション『in situ』も制作してきた。
シャネル・ネクサス・ホールには、カイディン自身がさまざまなアトリエを訪問し、メティエダールをはじめオートクチュールやバッグ、ジュエリー、香水の瓶といったクリエーションを生み出す制作の過程を目にしながら、職人たちの手に触れて型をとり、創作された作品が並ぶ。