ART|荒木経惟個展『東京ブルース 1977』
LOUNGE / ART
2015年5月8日

ART|荒木経惟個展『東京ブルース 1977』

ART│1970年代のアラーキーの動向を物語る貴重なヴィンテージ・プリントを展示

荒木経惟個展『東京ブルース 1977』

写真家荒木経惟(あらき・のぶよし)が1970年代に撮影したヴィンテージ・プリントを展示する『東京ブルース 1977』が、8月24日(土)から9月21日(土)まで、港区六本木にあるタカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムで開かれる。

Text by YANAKA Tomomi

女性たちの“演技”を愛着とともに“複写”

被写体との関係性の濃い、極めて私的な写真作品を撮りつづけてきた荒木経惟。これまで、事実とは一部異なるドキュメンタリー調テキストを添えた『荒木経惟の偽ルポタージュ』(1980年)や、カメラの日付表示機能を用いて、実際とは異なる撮影年月日を表示させた『荒木経惟の偽日記』(1980年)など、写真に潜在する虚構を引用した作品を、1970年代から発表してきた。

そして、1977年にニコンサロンで開かれた『東京ブルース』に出展され、いまではヴィンテージ・プリントとなった26点を紹介する本展では、当時、荒木が出会った九州出身の女性との“つくりごと”のドキュメンタリーだ。

生まれ育った街から、東京へ。女性たちの生い立ちとその生活に“ブルース”を感じた荒木は、彼女たちの“演技”を愛着とともに“複写”。そこから1970年代の荒木の動向を物語る、貴重な作品を目の当たりにすることができる。また、本展の開催を記念し、43点を収録した写真集も刊行される。

1970年代の荒木はこう語る。「ドキュメンタリーとは、写真とは、写真機とは、演技なのである。演技こそが真実であり、それを複写しなくてはいけないのだ。女、男、街、みんな主役になって、演じ、生きている。精いっぱい演技して生きているのだ」と。

東京ブルース 02

荒木経惟個展『東京ブルース 1977』
会期│8月24日(土)~9月21日(土) ※日曜、月曜、祝日休み
時間│11:00~19:00
会場│タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルム
東京都港区六本木5-17-1 AXISビル2F
Tel.03-5575-5004

写真集『東京ブルース 1977』
仕様│H18.7×W23.2センチ、ソフトカバー、48ページ
収録作品│43点
発売日│8月24日(土)予定
販売価格│未定

           
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