ART|写真展『last movement - 最終の身振りへ向けて』
ART│舞踊家田中泯の場踊りを捉えた写真
平間至写真展『last movement - 最終の身振りへ向けて』
舞踊家の田中泯(たなか・みん)氏の場踊りとそれにインスパイアされた風景を捉えた平間至写真展『last movement - 最終の身振りへ向けて』。7月6日(土)から8月31日(土)まで港区芝浦のフォト・ギャラリー・インターナショナルで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
7年ぶりの写真集も2冊同時に刊行
これまでミュージシャンの撮影や、彼の故郷でもある宮城県塩竃市に住むひとびとを捉えた作品で知られる平間至(ひらま・ いたる)氏。被写体への親密なアプローチによるポートレート写真などで、高い評価を得てきた。
2007年からは、その前年に劇場を離れ「場所で踊るのではなく、場所を踊る」ことをテーマに「場踊り」をはじめた田中泯氏を塩竃に招いてその踊りを撮影。以来、「場踊り」の撮影は平間氏のライフワークとなっている。
そして2011年3月の東日本大震災。被災した故郷に写真家として向き合えなかった体験から、平間氏を写真に立ち戻らせたのはふたたび、「場踊り」を撮ることだった。
会場では、これまでの作品とことなり、踊りからインスピレーションを色濃く反映しながらも、田中氏不在のランドスケープも入ったゼラチンシルバープリント約20点を展示。さらに、今回の写真展に合わせてこれまでの「場踊り」の作品を軸にした7年ぶりの写真集を2冊同時に刊行する。
「田中泯という不定形なエネルギー体をとおして、過去から現在に紡がれてきた『場』のもつ歴史と、その先へつづいていく未来を感じている」と語る平間氏の写真展。生命と場が一体となり、永遠にあるような力強い写真群は、写真家としての平間氏の新境地をわれわれに見せてくれる。
平間至写真集2冊『last movement - 最終の身振りへ向けてI』
『last movement - 最終の身振りへ向けてII』
発行│博進堂
ページ数│各40ページ
サイズ│B5変型
発行部数│各1000部
価格│2625円
7月15日(月・祝)発売