ART|ヨコハマ創造都市センターで『小沢剛 高木正勝 アフリカを行く』展
ART│日本とアフリカをつなぐふたりのアーティストによる新作を発表
ヨコハマ創造都市センターで『小沢剛 高木正勝 アフリカを行く』展
現代美術家の小沢剛(おざわ・つよし)と、映像作家で音楽家の高木正勝(たかぎ・まさかつ)がアフリカを訪れ、その体験をベースに制作した新作を発表する『小沢剛 高木正勝 アフリカを行く』展。5月25日(土)から6月9日(日)までヨコハマ創造都市センターで開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
過去と現代、史実と空想を結ぶ小沢剛の作品と、高木正勝の美しい映像作品
日本政府が国連や世界銀行などとともに第5回アフリカ開発会議を6月1日(土)から6月3日(月)にヨコハマで開催するのにあわせ、パートナー事業として開かれる『小沢剛 高木正勝 アフリカを行く』展。
東京芸術大学在学中から自作の地蔵を建立し、写真に収める『地蔵建立』や、2001年から制作された、女性が野菜でできた武器をもつポートレート写真シリーズ『ベジタブル・ウェポン』など、前衛的な作品で知られる小沢剛が向かったのはアフリカ・ガーナ。そこは、福島生まれの細菌学者野口英世が黄熱病の研究に向かった地でもある。
幼くして左手に大やけどを負うも、持ち前の勤勉さと努力により国際的な名声を得るに至った偉人ながら、破天荒な側面をもちあわせる野口の足跡を訪ねた小沢。そこで野口の生涯に独自の解釈とフィクションを交え、日本とアフリカをまたにかける荒唐無稽でユーモアあふれる人物『帰って来たDr.N』をアフリカの街角を飾るポピュラーな看板絵スタイルで描き出した。
いっぽう、映像制作のほか、ピアノやコンピュータを使った音楽制作を手がける高木正勝が訪れたのはアフリカ・エチオピア。村に足を運び、子どもたちの笑顔や生活を感じて題材にしたダイナミックで美しい映像作品が生み出されている。
会場ではこのほかにもアフリカ映画の特別上映会も同時に開催。これまでに日本で発表され、好評を博した作品を中心に長短編あわせて30本の映画やドキュメンタリーが上映される。
過去と現代、史実と空想を結ぶ小沢剛の作品と、高木正勝の映像作品。日本とアフリカをつなぐふたりのアーティストの作品は観る者を等身大のアフリカへといざなってくれる。