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ART
2014年12月4日
ART│ヨーロッパの風景を展示する舞綾子の写真展
ART│3年をかけて撮影した悠久の歴史を感じるヨーロッパの風景を展示
舞綾子写真展『水銀質の眠り──パリ・ヴェネツィア・ナント』
アーティスト、舞綾子(まい・あやこ)さんによる写真展『水銀質の眠り──パリ・ヴェネツィア・ナント』が5月9日(木)から22日(水)まで南青山のギャラリー・ウーゴズ南青山で開かれる。
Text by YANAKA Tomomi
いくつもの時代が駆け抜けた痕跡や時代の澱(おり)を、静謐なイメージに結実
ヨーロッパで現代美術史やデッサンを学び、写真のほかにもコラージュ、ミクストメディア、油彩なども手がけるという舞綾子。写真は2006年からヨーロッパを中心に撮影をつづけているという。
欧州の雰囲気漂う会場に、イタリアのヴェネチアやフランス西部のナント、そしてパリで3年のときをかけて舞綾子がシャッターを切りつづけたモノクロ作品などを展示。ノートルダム寺院やヴェネツィアの冬の風景など、悠久の歴史により生み出された景色が舞綾子独自のノスタルジックなカメラワークにより切り取られている。
「かの地の街に私が追い求めたのはおのおのの“場”の現実と虚構の狭間に見える“捉えがたきものの相貌(そうぼう)”の刻印。単なる現実の記録ではなく、虚構性の優位によってはじめて絡み取れるリアリティーなのです」と語る舞綾子。いくつもの時代が駆け抜けた痕跡や、時代の澱(おり)を静謐なイメージに結実させた写真世界をそこにある。