ART│金沢21世紀美術館で『フィロソフィカル・ファッション1: FINAL HOME』展
ART│防寒着にも避難着にもなる“究極の家”を展示
金沢21世紀美術館で『フィロソフィカル・ファッション1: FINAL HOME』展
一貫したコンセプトでファッションを提案しつづけるクリエイターを紹介し、衣服やファッションの役割について考える企画『フィロソフィカル・ファッション』が金沢21世紀美術館でスタートした。その第一弾として、ファッションデザイナー津村耕佑(つむら・こうすけ)によるプロジェクト「FINAL HOME(ファイナルホーム)」の展覧会が6月30日(日)まで開かれている。
Text by YANAKA Tomomi
ファッションと社会や環境との関係性を考察
「家をなくしてしまったとき、ひとを最後にプロテクトするのは服になる」──。このコンセプトをもとに、1994年、津村耕佑さんらにより生み出された“究極の家”を意味する「ファイナルホーム」プロジェクト。ポケットに新聞紙を詰めれば防寒着に、あらかじめ非常食や医療キットを入れて災害時に着れば避難着になるなど、個人の用途に適応できるナイロンコートを展開している。
会場では津村さんが、私たちの生活のなかにある日用品にスポットを当て、見落とされているものの存在を再考するインスタレーションを展開。また期間中の3月10日(日)は13:30からはアーティスト・トークが開かれるほか、11:00と13:00からは、東日本大震災から2年がたち「ファイナルホーム」から笑顔と愛を届けたいという願いを込めて、希望の花をフラワーパズルで咲かせるワークショップも開催される。
阪神・淡路大震災や東日本大震災など未曾有の災害に見舞われた日本で、ファッションデザイナーとしての使命を軸にファッションと社会や環境との関係性を考察しつづけてきた津村さんが考える“究極の家”。インスタレーションをつうじて、人間と衣服、都市と自然についてもあらためて考えてみたい。
『フィロソフィカル・ファッション1: FINAL HOME』展
会期│1月12日(土)~6月30日(日)
※月曜休館。ただし4月29日(月・祝)、5月6日(月・振休)は開館。5月7日(火)は休館。
時間│10:00~18:00 ※金曜、土曜は~20:00
会場│金沢21世紀美術館 デザインギャラリー
石川県金沢市広坂1-2-1
Tel.076-220-2800
料金│無料