ART│大橋愛写真展『piece』
LOUNGE / ART
2014年12月8日

ART│大橋愛写真展『piece』

ART│“生”の営みと、そこに内包する死を切り取った連作

大橋愛写真展『piece』

気鋭の写真家・大橋愛(オオハシ・アイ)による新作写真展『piece』が3月8日(金)から31日(日)まで京都のフォイル・ギャラリーと、4月25日(木)から5月19日(日)まで東京のhpgrp GALLERY TOKYOで開催される。大橋自身の痛みから失われたかけら(=piece)を探すようにシャッターを切り、生と死を浮き彫りにした写真が展示される。

Text by YANAKA Tomomi

写真集『piece』も展覧会と同時に刊行

1974年に神奈川県に生まれた大橋愛さん。1995年に東京綜合写真専門学校を卒業後、雑誌や広告の分野で活躍するとともに、作品を制作。2000年には『ひとつぼ』展に入選を果たしたほか、2004年の『世界の果てに連れてって』などの連作で知られている。昨年は、渋谷パルコ・パート1地下1階のショップ、DECOdeBONAIR(デコデボネア)とのコラボレーションといった、意欲的な活動でも注目を集める彼女が、2009年から2012年夏にかけて撮影した新作が展示される。

自身の近しいひとの死をきっかけに国内外各地の写真を撮ることで、死の縁から生を、生のそばから死を覗く作業をつづけてきたという大橋さん。かつての隆盛を残したまま、取り壊されることなく廃墟となった長崎の軍艦島、おそろしいほど美しい自然、時間によって音も立てずに暴力的に分断される日常の風景などが切り取られ、ひとつの連作として組み立てられた。

また、今回の写真展と同時に写真集『piece』も刊行。3月上旬に発売が予定されている。

震災を経て、生と死がわたしたちにとってより身近になったことで「世に出そうとおもった」と大橋は語る。時として残酷とも言える“生”の営みを粛々と浮かび上がらせると同時に、“生”に内包する死の気配が、やさしく静かな時間とともに写し出されている。

大橋愛写真展『piece』

京都会場

会期│3月8日(金)~31日(日) ※水曜休廊

時間│11:30~20:00

会場│フォイル・ギャラリー

京都市上京区笹屋町通智恵光院西入笹屋町1-519 マーブルビルディング3F

Tel.075-451-6162

入場料│300円 ※中学生以下無料

東京会場

会期│4月25日(木)~5月19日(日) ※月曜休廊

時間│11:00~19:30

会場│hpgrp GALLERY TOKYO

東京都渋谷区神宮前5-1-15 B1F

Tel.03-3797-1507

入場料│無料

写真集『piece』
著者│大橋愛
サイズ│A4判ソフトカバー
定価|3150円
3月上旬発売予定

           
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