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ART
2014年12月9日
ART│松井冬子『散逸』展
ART│生と死、性など人間の根源を問う作品を発表
松井冬子『散逸』展
日本画家、松井冬子による個展『散逸』が3月16日(土)まで九段南の成山画廊で開催されている。新作と、旧作より九相図シリーズの季節の作品も展示される。
Text by YANAKA Tomomi
スイス在住のデザイナー、カズ・フグラーとのコラボレーションクチュールも発表
緻密なタッチで人物や動物を描き出すことで知られる松井冬子。日本画の古典技術法を受け継ぐとともに、芸術表現が精神的、肉体的に“痛み”を呼び起こす作風は世界でも注目されている。
今回の展覧会では彼女ならではの、生と死、性など人間の根源を問うような新作が発表されるほか、仏教絵画で屋外に打ち捨てられた死体が朽ちていく過程を描いた「九相図」などの旧作も展示される。
また、3月13日(水)にはスイス在住のデザイナー、カズ・フグラーとコラボレーションしたクチュールドレスも発表されるという。(要アポイントメント、問い合わせ)
松井冬子も「九相図はエントロピーを換言する絵画ともとれる。自身の肉体も空気との摩擦で熱に変化され、地面の振動に変化され、散逸する。不可逆であること、再びもとの状態には戻れないこと、九相図の序章のような作品群を発表します」とコメント。
画家の静かな、しかし、沸き立つようなエネルギーを『散逸』展から感じてほしい。
松井冬子『散逸』展
期間│1月19日(土)~3月16日(土) ※水曜、日曜、祝日は休廊
時間│13:00~19:00
会場│成山画廊
東京都千代田区九段南2-2-8 松岡九段ビル205号室
Tel.03-3264-4871