ART│『ス・ドホ│パーフェクト・ホーム』展
ART│“家”をテーマに金沢21世紀美術館にあわせた最新作を展示
『ス・ドホ│パーフェクト・ホーム』展
アジアを代表する現代美術家ス・ドホ氏による展覧会『ス・ドホ│パーフェクト・ホーム』展が3月17日(日)まで金沢21世紀美術館で開催されている。“家”をテーマに最新作を含めた作品が展示される。
Text by YANAKA Tomomi
代表作「ファブリック・アーキテクチャー」シリーズも登場
1962年に韓国に生まれたス・ドホ氏。ソウル大学卒業後、アメリカへと渡って絵画と彫刻を学び、マイノリティとして暮らす他国の文化とのせめぎあいや、葛藤を独自の視点で見つめ直しながら制作した繊細で端正な作品は、世界的にも高い評価を得ており、現在はロンドン、ニューヨーク、ソウルを拠点に活躍している。日本では、2005年にメゾンエルメスでの作品展や昨年、広島市現代美術館で開かれた『ス・ドホ in between』展なども記憶にあたらしい。
今回の展覧会では“家”をテーマに、金沢21世紀美術館の空間にあわせた最新作を展示。なかでも、「空間をスーツケースに納めて運ぶ」という発想からはじまった「ファブリック・アーキテクチャー」のシリーズは、光をとおす半透明の薄い布でつくられ、自身が住んでいた家全体や、階段や廊下、門などといった内と外、あるいは公と私を分け隔てる境界を生み出す。
また、期間中は2月8日(金)18時からアーティストトークが開催されるほか、レクチャーやキッズスタジオ・プログラム、キュレーターによるギャラリーツアーなど盛りだくさんのイベントも開催される。
世界各地を移動しつづけているス・ドホ氏にとって“家”とは、自らのアイデンティティそのもの。もともと彼の個人的な空間であるはずの“家”は、公共の場所に置かれることにより、訪れるひとや環境によりあらたな意味が付け加えられ、多様な解釈を受け入れながら次の場所へと移動してゆく。そんな彼が提示する“家”を訪れながら、アイデンティティや個についても考えをめぐらしてみたい。
『ス・ドホ│パーフェクト・ホーム』
期間│2012年11月23日(金)~2013年3月17日(日) ※1月15日(火)と2月12日(火)は休館
時間│10:00~18:00 ※金曜、土曜は~20:00
会場│金沢21世紀美術館
金沢市広坂1-2-1
Tel.076-220-2814
料金│一般1000円、大学生・65歳以上800円、小中高生400円
展示会中イベント
アーティスト・トーク
日程│2月8日(金)
時間│18:00~20:00
定員│先着90人
料金│1000円(美術館ミュージアムショップで1月2日よりチケット販売開始)
レクチャー1「韓国の生活文化と色」
日程│2月3日(日)
時間│13:00~15:00
講師│朝倉敏夫国立民族博物館文化資源研究センター長・教授
定員│先着90人
料金│無料(ただし、当日の本展覧会券が必要)
レクチャー2「家のかたちの持つ意味-今和次郎『日本の民家』再訪を終えて」
日程│2月10日(日)
時間│13:00~15:00
講師│中谷礼仁早稲田大学理工学術院創造理工学建築学科教授
定員│先着90人
料金│無料(ただし、当日の本展覧会券が必要)
キッズスタジオ・プログラム「マイ・パーフェクト・ホーム」
日程│3月2日(土)
時間│13:00~15:00
定員│先着15人(事前申し込みが必要。2月1日から申し込み開始)
料金│500円
キュレーターによるギャラリー・ツアー
日程│3月9日(土)
時間│11:00~12:00
料金│無料(ただし、当日の本展覧会券が必要)