ART|ふたりのアーティストによる映画と彫刻の対話『MU〔無〕-ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』展
ART|ふたりのポルトガル人アーティストによる映画と彫刻の対話
原美術館で『MU〔無〕-ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』展
「映画」と「彫刻」という、異なる表現領域で活動するふたりのポルトガル人アーティストによる異色の展覧会『MU〔無〕-ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』展が、12月7日(金)から2013年3月10日(日)まで、品川の原美術館で開催される。
Text by YANAKA Tomomi
相反する要素が対決することで生み出される一期一会の空間と時間
ドキュメンタリーとフィクションの境界に立ち、静謐な映像美と破壊的な世界観の共存する作品を描く映画監督として知られるペドロ・コスタ。そして、国際展のポルトガル代表として出品するなど、鉄にこだわりながら、彫刻表現のさまざまな可能性を追求しつづけているルイ・シャフェスという、プライベートでも仲の良い鬼才のふたりが、美術館という空間で作品による対話を繰り広げる『MU〔無〕-ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』展。
ふたりは2005年にポルトガル第二の都市、ポルトのセラルヴェス美術館でも同様の作品展を開催。今回はそれぞれの新作各3点も交え、かつて西洋風の個人邸宅であった原美術館の存在と日本文化というあらたなエッセンスを意識しながら、映画と彫刻という相異なる芸術言語の「対決」を模索するという。
日本映画の巨匠小津安二郎監督に敬意を表し、彼の墓碑に刻まれた一文字「無」に触発されて『MU〔無〕』と名づけた本展は、映像インスタレーション5点、彫刻5点の計10点で構成。ペドロ・コスタの代表作『ヴァンダの部屋』『コロッサル・ユース』の映像素材が、ルイ・シャフェスの鉄の彫刻とともに、インスタレーションとしてあらたなカタチで提示されるのも見所だろう。
ペドロ・コスタとルイ・シャフェスによるアーティストトークが12月8日(土)に企画されるなど、期間中は多彩な関連イベントも開催される。
異なるふたつの才能が出会い繰り広げられる光と影、動と静。相反する要素が対決することで生み出される一期一会の空間と時間を原美術館で感じたい。
『MU〔無〕-ペドロ コスタ&ルイ シャフェス』
日程│12月7日(金)~2013年3月10日(日)
休館|月曜
※ただし、祝日に当たる12月24日、1月14日、2月11日は開館し、翌火曜日は振り替え休館する。また、12月28日(金)~1月4日(金)の年末年始も休館。
時間│11:00~17:00 ※水曜は~20:00
会場│原美術館
東京都品川区北品川4-7-25
Tel. 03-3445-0651
入館料│一般1000円、大高生700円、小中生500円
アーティストトーク ペドロ・コスタ&ルイ・シャフェス
日程│12月8日(土)
時間│13:00~15:00
講演 杉田敦(美術評論家・女子美術大学教授)
日程│12月16日(日)
時間│14:30~16:00
講演 諏訪敦彦(映画監督・東京造形大学学長)+ペドロ・コスタ短編映画上映
日程│12月22日(土)
時間│14:00~16:00
講演 瀬下直樹(建築家)
日程│2月2日(土)
時間│14:30~16:00
※イベントはすべて有料・予約制。料金や予約開始日、申し込み方法の詳細は原美術館のブログから。
http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/HCswtynKZoergI3pWOi6