ART│故郷の兵庫県にあらたに「横尾忠則現代美術館」が誕生
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2014年12月12日

ART│故郷の兵庫県にあらたに「横尾忠則現代美術館」が誕生

ART│故郷の兵庫県にあらたに「横尾忠則現代美術館」が誕生

横尾忠則展「反反復復反復」
hanhanpukupukuhanpuku~二度ある美は、三度ある。

現代美術の巨匠横尾忠則の故郷、兵庫県に彼の作品を一堂に集めた「横尾忠則現代美術館」が11月オープンした。その開館記念の第一弾となる『横尾忠則展「反反復復反復」hanhanpukupukuhanpuku~二度ある美は、三度ある。』が2013年2月17日(日)まで開催されている。

Text by YANAKA Tomomi

期間中は制作風景を見ることができる『歳末大公開制作』も開催

幅広い作風とジャンルを超えた意欲的な作品で日本の現代美術界をリードする横尾忠則。彼から寄贈、寄託を受けた3000点以上にも及ぶ作品や資料を展示する「横尾忠則現代美術館」が神戸市に開館した。そのオープンを記念して開催される横尾忠則展『反反復復反復』は、彼の特徴でもある“反復”にスポットを当てた作品が並ぶ。

特定のモチーフが繰り返し何度も登場することで知られる横尾忠則の作品。たとえば、1960年代の代表的な絵画シリーズ『ピンクガールズ』は1990年代に突如として再生産され、近年にいたるまで断続的に描きつづけられている。また、彼が生まれ育った兵庫県西脇市にある路地を描いた『Y字路』についても、同じ場面が少しずつ変貌を遂げながらも何度も繰り返し、モチーフとなっているのだ。

もともと横尾芸術では既存のイメージを描き写すことである“模写”が極めて重要な要素となっており、さらに、自らの作品をも“模写”の対象としている稀有なアーティストといえる。それは単なる自己模倣ではなく、いわば確信的な営みであり、「作品は年代を追って展開するもの」「美術作品にとって、唯一無二のオリジナリティこそが重要」という常識に対するアンチテーゼが含まれているのだ。

会場では、この展覧会のためにあらたに制作された新作を交え、ときにゴッホのようなタッチで、ときに大胆にカラーを変え、反復して描かれたモチーフの数かずを展示。また、期間中は彼の制作風景を見ることができる『歳末大公開制作』や、シンポジウム『戦後美術アーカイブ その課題と展望』など、多彩なイベントも開催されるという。

時空を超えて執拗に反復を繰り返す横尾忠則の独自の絵画世界。横尾忠則のあらたな“聖地”となった美術館のパラレルワールドにぜひ足を踏み入れたい。

『横尾忠則展「反反復復反復」hanhanpukupukuhanpuku~二度ある美は、三度ある。』

日程│11月3日(土)~2013年2月17日(日)

※月曜休館 ただし12月24日、1月14日、2月11日は開館。12月25日、1月15日、2月12日、12月31日、1月1日は休館。

時間│10:00~18:00 金・土曜日は~20:00

会場│横尾忠則現代美術館

兵庫県神戸市灘区原田通3-8-30

Tel.078-855-5607(総合案内)

横尾忠則『歳末大公開制作』

日程│12月7日(金)、8日(土)、9日(日)、23日(日)、24日(月・祝)

時間│開館時間中随時

シンポジウム『戦後美術アーカイブ その課題と展望』

日程│2013年1月26日(土)

時間│14:00~

パネリスト│池上裕子(日本美術オーラル・ヒストリー・アーカイブ)
笹木繁男(現代美術資料センター)
渡部葉子(慶應義塾大学アート・センター)
聴講料│無料

           
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