ART│静物を被写体としたコンセプチュアルな写真展『I put this here by Scheltens & Abbenes』
ART│静物を被写体としたコンセプチュアルな写真展
アムステルダムを拠点に活動する最注目アーティスト
『I put this here by Scheltens & Abbenes』
アムステルダムを拠点に活動するフォトグラファーMaurice Scheltens(モーリス・シュルテンス)と、彼の公私にわたるパートナーのビジュアルアーティストLiesbeth Abbenes(リースベス・アベネス)がコラボレートした写真展『I put this here by Scheltens & Abbenes』が、11月23日(金・祝)から12月12日(水)まで恵比寿のリムアート(limArt)で開催される。
Text by YANAKA Tomomi
世界が注目するアーティストによる日本初の展覧会
スティル・ライフ(静物)を被写体としたコンセプチュアルな写真作品を発表しているフォトグラファーのモーリス・シュルテンスと、ビジュアルアーティストのリースベス・アベネス。本拠地のアムステルダムやニューヨークなど世界中で展覧会を開催するとともに、エルメスやイヴ・サンローランといったメゾンをも魅了。文化施設などとのコミッションワークや雑誌のエディトリアルデザインなどにも携わる、注目のアーティストによる日本初の展覧会が開催される。
彼らの作品の特徴は共通して「写真」という二次元的な表現を強く意識しているということ。ターンテーブルに置いた回転している物体を撮影した「Hidden Objects」シリーズや、ファッションブランドのハンガーを規則性のあるオブジェとして撮影した連作など、いずれも三次元の空間における時間や現象を記録し、最終的に平面的な表現となる写真でしか表現しえない作品を意識的に制作しているのだ。もっとわかりやすく言えば、「三次元を強く意識させる被写体」を選んでいるということだ。
この展示に合わせて彼らの近作のビジュアルを使ったポスター型の展覧会カタログも刊行。室内に飾るアートとしても大いに楽しむことができそうだ。
徹底的に考え抜かれたコンセプトをもとに、“像を写す写真”から独立した表現、昇華させた、軽やかで色鮮やかなビジュアルイメージ。写真という歴史に敬意を払いながらも、まったくあたらしい写真表現を模索する彼らの創造性とアプローチを堪能したい。
『I put this here by Scheltens & Abbenes』
日程│11月23日(金・祝)~12月12日(水) ※月曜定休
時間│12:00~20:00
会場│limArt
東京都渋谷区恵比寿南2-10-3 1階
Tel.03-3713-8670