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ART
2015年1月7日
ART|アートで北極圏の姿を表わせる
ART|ショナ・トレスコット『Drawn into the Light』展
北極圏を描くファインアート
オーストラリアの画家ショナ・トレスコット(Shonah Trescott)が2回目の個展を開催。9月11日(火)から12月8日(土)まで、江東区のアンドーギャラリーにて作品が展示される。
Text by Winsome Li (OPENERS)
北極・ニーオーレスンの圧倒的な自然
今年5月、ショナ・トレスコットは北極圏のスヴァールバル諸島、北緯79度に位置するニーオーレスンに一カ月滞在し、厳寒のなかで大自然の姿を作品に描いた。天然資源が豊富で、炭鉱の町として栄えたニーオーレスンは現在、極地科学や極地生態研究の国際拠点となり、ノルウェー、ドイツ、フランス、日本など10カ国が観測基地を設置。オゾン層破壊や大気の研究など環境分野に関する研究を進めている。トレスコットは現地のコミュニティや科学者たちとともに過ごした日々において、北極圏で加速度的に進行している温暖化について考察を深める一方、ニーオーレスンの圧倒的な自然、歴史に魅せられていった。
封印されてきた伝説に満ちた作品
ショナ・トレスコットの目を通して描かれた風景、封印されてきた伝説や物語は、抽象と具象が共存し、ぶつかり合いながらも時として融合している。彼女が求めているのは、目に映る自然の姿や、物語と概念の狭間にある視覚の広がりを魅力的に見せる手段としての絵画。本展では、北極での体験をもとに描かれた絵画、写真、シルクスクリーンが展示される。
ショナ・トレスコット|Shonah Trescott
1982年オーストラリア生まれ。シドニーの国立芸術学校絵画専攻卒業。現在、ベルリンにて制作活動中。2010年に日本で初めて開催された個展『Mankind, Nature, Myth』では、人間と自然とのあいだにある原初的な関係を描いた絵画を発表し注目を集めた。