ART|美しい奥入瀬の地で楽しむ現代アート
LOUNGE / ART
2014年12月22日

ART|美しい奥入瀬の地で楽しむ現代アート

ART|美しい奥入瀬の地で楽しむ現代アート

星野リゾート奥入瀬渓流ホテルで栗林隆の作品を展示

家のように個々の独立した展示室をもち、よりアートと密接した空間づくりで知られる青森県の十和田市現代美術館。その発想を街全体に広げる「Arts Cube プロジェクト」の第一弾として、現代美術家の栗林隆による作品が、9月下旬まで十和田市の星野リゾート奥入瀬渓流ホテルで展示される。

Text by YANAKA Tomomi

十和田美術館による「Arts Cube プロジェクト」の第一弾

「境界」をテーマにした作品づくりで知られる栗林隆。9月2日(日)まで十和田市美術館ほかで開催される『WATER >│< WASSER』展に合わせ、市内の景勝地としても知られる奥入瀬の星野リゾートでも作品が展示される。

ART|栗林隆展 02

十和田市美術館ほかで開催中の『WATER >│< WASSER』展

ART|栗林隆展 03

「水」をテーマに、大規模な新作インスタレーション、映像作品を中心に展示をおこなっている

「Arts Cube プロジェクト」は、十和田市内のいたるところでアートを鑑賞できる「家(=Cube)」を設置していこうと企画。第一弾として、日本でも屈指の美しい景色を誇り、岡本太郎や数々の芸術作品のモチーフにもなってきた奥入瀬ならではの恵まれた環境をアートスペースとして生かそうと計画され、拡張性の高い「アートのための家」があらたにホテル内に設置された。この試みは今後も継続され、現代アートの作品が展示されていくという。

今回の栗林隆のプロジェクトでは、彼が2010年から縫製技術を活用したアートを作ろうとタッグを組む、アパレルメーカー三陽商会の国内生産拠点のひとつ、サンヨーソーイング青森工場とコラボレーションした作品を出展。サンヨーソーイング青森工場の高い縫製技術を用い、彼にとって“境界”を象徴する、陸と水を自由に行き来するペンギンの立体作品が登場する。

今回の展示作品であるペンギンは、栗林氏にとって陸と水を自由に行き来する“境界”を象徴する存在だ

奥入瀬の美しい森や環境の中に現れた、栗林隆によるペンギン。美術館で見るのとはひと味違ったアートの表情をぜひ堪能してほしい。

ART|栗林隆展 10

栗林隆|KURIBAYASHI Takashi

1968年長崎県生まれ。武蔵野美術大学卒業。その後ドイツに留学、2002年デュッセルドルフ・クンストアカデミーをマイスターシューラーとして修了。国内外の現代美術展に多数参加し、海外においても高い評価を得ている。国内では、青森県の十和田市現代美術館にて恒久作品が設置。2010年森美術館「ネイチャー・センス」展、2011年BEYOND MUSEUM「INBETWEEN」展など展覧会多数。2011年第7回武蔵野美術大学建築学科芦原義信賞受賞。

           
Photo Gallery