ART|青山悟展『The Man-Machine(Reprise)』
LOUNGE / ART
2014年12月16日

ART|青山悟展『The Man-Machine(Reprise)』

ART│刺繍というメディアを通じていまと向き合う

青山悟展『The Man-Machine(Reprise)』

工業用ミシンを使い作品制作を行なうアーティスト青山悟による『The Man-Machine(Reprise)』が、8月29日(水)から9月29日(土)まで東京・市谷田町のミヅマアートギャラリーで開催される。

Text by YANAKA Tomomi

ニュース雑誌を切り抜き、表と裏を再現した作品を発表

工業用ミシンを使い「労働」と「機械と人間の関係性」をテーマに制作している青山悟は、1973年東京生まれ。ゴールドスミスカレッジのテキスタイル学科を1998年に卒業後、2001年にシカゴ美術館附属美術大学で美術学博士号を取得し、現在は東京を拠点に活動している。近年では自身の刺繍と、画家であった祖父の絵とを対峙させたシリーズをはじめ、バラという象徴的であり陳腐になりかねない主題にあえて挑んだ作品など、“刺繍”というメディア自体の意味を再確認し、拡張するかのように精力的な発表を展開している。

青山悟展『The Man-Machine(Reprise)』02

2012年「Imagine」 (部分) 2012年 H16.3×W23cm
photo by MIYAJIMA Kei ©AOYAMA Satoru
Courtesy Mizuma Art Gallery

青山悟展『The Man-Machine(Reprise)』03

2012年「No More Nukes」(部分) 2012年 H16.3×W23cm
photo by MIYAJIMA Kei ©AOYAMA Satoru
Courtesy Mizuma Art Gallery

本展では、政治や社会情勢をあつかうニュース雑誌を切り抜き、その表と裏の両面をフルカラーの糸を使って再現した刺繍作品を発表。恣意的に選ばれたニュース記事の表とそこに自動的に付随する裏。一見意図しない組み合わせでありながらもどこか呼応し合うような関係性を見せる作品には、「表に見えているものが裏にあるものと同様に意味がなかったとしても、裏にあるものが表に見えているものと同様に意味がなかったとしても、なにかを信じ、選択していかなければならない」という彼のメッセージが込められている。

また、初日の8月29日(水)19時からは、ミュージシャン平石博一とのライブパフォーマンスも開催する。インターネットの情報伝達速度が加速する現代において、ひと昔前の工業用ミシンを使った刺繍というメディアをとおし、時間をかけて「いま」と向き合った、青山悟の真摯な問いともいえる作品展。私たちが異なる価値観と溢れる情報のなかからなにを選択し、そして、これからどのような社会を築くことができるのか――。本展は、そんなことを改めて考えるきっかけをあたえてくれるだろう。

青山悟展『The Man-Machine(Reprise)』 Featuring 平石博一

日程│8月29日(水)~9月29日(土) 

時間│11:00~19:00

会場│ミヅマアートギャラリー

東京都新宿区市谷田町3-13 神楽ビル2階

オープニングレセプション

日程|8月29日(水) 

時間|18:00~20:00 ライブパフォーマンスは19:00~

Tel.03-3268-2500

http://mizuma-art.co.jp

           
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