YOHJI YAMAMOTO|イスラエルで「ヨウジヤマモト」エキシビション開催中
YOHJI YAMAMOTO|ヨウジヤマモト
Yohji Yamamoto at Design Museum Holon exhibition
イスラエルでエキシビション開催中!
Y’sブランド40周年、日本とイスラエルの国交60周年の今年、イスラエルでははじめてとなるデザイナー山本耀司氏のエキシビションがおこなわれる。イギリスの著名デザイナーRon Arad(ロン・アラッド)が手がけた独創的な建築構造をもつDesign Museum Holon(ホロン デザイン ミュージアム)で、10月20日(土)まで開催されている。
Text by KAJII Makoto (OPENERS)Photographs by Sharon Derhy
テルアビブの隣町・ホロンにある、デザイン専門の美術館で開催中
「ロンドン、フィレンツェ、パリの展覧会を経て、今回はイスラエルという、文化レベルの非常に高い国での展覧会は、僕にとってはごく自然な流れだ。モノを考える人間として、用意された情報しか入らない今こそ、イスラエルとはどんな国なのか、目で見て、皮膚で感じてみたいと思った。そして今回はそれを生で感じることができる」と語る山本耀司氏。
今回のエキシビションは、建物自体が、訪れる者を“デザインの世界”へと一瞬にして誘う圧倒的パワーを放つ「ホロン デザイン ミュージアム」を舞台に、80点以上にのぼるYOHJI YAMAMOTOのウィメンズとメンズの代表的なシルエットを展示。人間・場所・洋服・デザインの対話を探る。
空間演出家であり照明デザイナーの二瓶マサオ氏のデザインによるユニークなインスタレーションが、ふたつのメインギャラリー、ラボスペース、ガーデンなどをふくむ、インドアからアウトドアにいたる美術館内のあらゆるスペースを、巧みにひとつにまとめあげている。
下階のギャラリーでは、音楽とともに、38体のマヌカンが時間ごとに動く仕組みもあり、国際都市の活気や高揚感を表現。上階のギャラリーでは、穏やかな瞑想的な空間のなか、抽象的なインスタレーションへと来場者を誘っていく。また、ギャラリー中央にはライトで作られた大きな木が展示され、ギャラリー全体の光とエネルギーの源となり、10体の赤と黒のイブニングドレスに光を照らしている。
「リハーサルなしで本番をおこなうことは重要。なぜなら、それ自体が即興で生きているから。服をモデルたちに着せるとき、リアルな瞬間に近づき、そして自然に何か予想もできないことが起こる。それが好きだ。モデルたちがステージを歩き、観客の前にでる。そしてそのリアクションをバックステージで感じる。その瞬間は何事にも代え難い」――山本耀司氏のファッション哲学が、地中海湾岸の巨大彫刻物のようなミュージアムで展開されている。