第35章 トヨタ式経営学の再確認
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2015年5月7日

第35章 トヨタ式経営学の再確認

第35章 トヨタ式経営学の再確認

文=今 静行

従業員教育を最優先

トヨタ自動車は自動車生産台数世界一の大企業です。日本を代表するというより世界中に影響力を持つインターナショナルな優良会社です。生産工場はアメリカ、欧州を始め、中国、インドなど、先進国から新興国まで世界中で操業しています。その経営最高責任者である渡辺捷昭社長を囲んで質疑応答する機会が最近ありました。テーマは「グローバル化と再生、循環型社会への対応」です。急激な事業拡大と兵站線が伸びることもあって、リコールに見舞われることもありましたが一件ごとに徹底した原因究明にあたり、販売とサービス部門との連携を深めて対応していることなどをフランクに話してくれました。

トヨタ経営を一口で言えば下請けを含めた従業員の“教育”に全力投球していることといい切れます。即戦力、成果実績主義などアメリカ式短期収益型最優先の経営の違いをうかがいしることができました。社員だけでなく下請け企業も一体化したチームワークの大切さに力を注いでいるのです。

「愚直、地道、徹底」の深さ

会の最後に渡辺社長の信条を書いてもらいました。「愚直、地道、徹底」と毛筆で骨太に記帳しました。誰もが東洋的というか日本的思考におどろかされました。奇をてらうような発想は全く無く、昔からいわれていることを経営の基軸にすえているのです。

別な意味でフレッシュな感じを私たちに与えてくれました。トヨタがすべて良いとか優れているというつもりはありませんが、一つの信念を持った経営姿勢は中小企業や零細企業も参考にすべきだと思います。愚直に地道に生きることの大切さを改めて知ってほしいと思います。

           
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