naomi&goro「Bossa Nova Songbook1」インタビュー(1)
ボサノヴァ50周年を聴いて楽しむ
naomi&goro「Bossa Nova Songbook1」発売インタビュー(1)
アントニオ・カルロス・ジョビンが作曲し、ヴィニシウス・ヂ・モラエスが作詞して、ジョアン・ジルベルトが歌とギターで1958年にリリースしたのが「Chegade Saudade(シェガ・ヂ・サウダージ/想いあふれて)」。その記念すべき最初のボサノヴァのレコーディングから50年、世界各地で記念コンサートやアルバムのリリースで盛り上がるなか、アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲と、ジョアン・ジルベルトのレパートリーを収録した「Bossa Nova Songbook1」をリリースしたnaomi&goroの伊藤ゴローさんと布施尚美さんにお話を伺った。
まとめ=梶井 誠(本誌)Photo by Jamandfix
ボサノヴァとの出会い、そしてニューアルバムのこと
──お二人のプロフィールをみると、出会いは99年とありますね
布施尚美 私が歌っているところへ、あるミュージシャンの方がゴローさんを連れてきてくれて紹介されたのが最初ですね。
伊藤ゴロー 出会ってすぐ、鎌倉のイタリアンレストランで一緒に演奏し始めたのが99年ですね。
尚美 私はギター2本と歌でボサノヴァをつくっていきたかったので、とてもいい出会いでした。
──お二人がボサノヴァに惹かれた理由は?
ゴロー クラシックしか聴かなかった父親が『ゲッツ/ジルベルト』のレコードを持っていて、中学生のときに初めてボサノヴァを聴きました。そのときの第一次ボサノヴァマイブーム(笑)からずっと好きですね。
尚美 ボサノヴァは昔からハーモニーもメロディもリズムも好きだったんですが、96年に、当時流行っていたシュラスコってブラジル料理を出すレストランにミュージシャンが来て弾き語りをしているのを見て、「よし、やろう!」と思った次の日から、ギターも歌もポルトガル語も全部一から始めました。
──今回のアルバムを制作するきっかけは?
ゴロー いつもライブでは「Bossa Nova Songbook1」に収録している曲を中心に演奏をしていたんですが、今年2008年はボサノヴァ50周年ということですので、ボサノヴァのスタンダードのカバーアルバムをつくりたいと思ったのがきっかけですね。
──アルバムで気に入っている曲を教えてください
ゴロー ぼくは1曲目の「Aguas De Marco(アグアス・ヂ・マルソ/三月の水)」が気に入ってます。教授がピアノを弾いてくれるというので、これは絶対演りたかった。サウンドのイメージもすぐできたし、レコーディングも楽しかったですね。教授との演奏は初めてでしたが、いい音楽をカタチにできているという喜びを感じました。
尚美 私も「Aguas De Marco」が好きです。とても感覚的なものですけど、3Dのように立体的に仕上がったなと思いました。教授は緊張しましたが(笑)、ジョビンのお宅のいろんなエピソードが聞けて楽しかったです。教授はとても優しい方で、ジョビンのことが大好きなんだなと思いました。
ゴロー 教授はあと5曲目の「E Preciso Perdoar (エ・プレシーゾ・ペルドアール)」にも参加してもらっています。この曲は、ジョアン・ジルベルトのバージョンのイメージが強すぎて、カバー自体が少ないんですが、教授のピアノを加えられたらいいなぁと思っていたのが実現しました。
naomi&goro「Bossa Nova Songbook1」(commmons)
発売│2008年5月28日(水)
税込価格│3000円
品番│RZCM-45891
今年2008年、ボサノヴァ50周年にふさわしい名曲カバー満載のアルバムが登場。
20世紀のポピュラー音楽を代表する音楽家アントニオ・カルロス・ジョビンの名曲「イパネマの娘」をはじめ、ジョアン・ジルベルトのレパートリー、そしてこのアルバムのための書き下ろし1曲を含む全13曲を収録!
坂本龍一さんもピアノで2曲参加し、より一層の彩りと深みが増した作品に仕上がっている。
naomi&goro 公式サイト│http://www.naomiandgoro.jp/