フォトグラファー Tomo Stampedeからのメール(5)
ニューヨークはいま、いったいどんな顔をしているんだろう。
摩天楼の街 ニューヨークのいまが見られる。
アメリカ ニューヨーク滞在中のフォトグラファー、Tomo Stampede(トモ・スタンピード)が、ニューヨークの"いまの顔"を写真一枚で伝える、NY→TYO→∞な企画。
フォトグラファー トモ・スタンピードからのメール。
ニューヨーク × アメリカ
ニューヨーク シティは、アメリカのほかのどの街ともちがうさまざまな特性をもっている。
昔から住んでいる人たちにいわせると"ニューヨークはアメリカではない"らしい(笑)。
それほどに住んでいる人達自身がこの街がいかに独特かということを自覚していて、誇らしくおもっているかということが伺える。
もちろん、合衆国最大の都市で、世界の経済、金融の中心であり、さまざまな文化が世界じゅうから集まっている場所なので、そんな概要を聞いただけでもニューヨークという場所の魅力と特異さがうかがえるのだけれど、私がこの街でとくに惹かれているのは、生まれ育った故郷を離れてこの国、この街で力強く生きている移民の人々だ。
総人口の約30%が移民で、2000年以降にニューヨーク シティで生まれた子ども10人中6人は両親の少なくとも一方が外国生まれだという。
住んでいる移民の人数、国別ランキングを見るとアメリカ全体の順位とではまったくちがうということも興味深い。
この街のユニークさを掘るうえでひとつのヒントではないかと思う。
COMMON LAND(共有地)
世界じゅうの国々から人々がこの街を目指してやって来る。
ビジネスの更なる発展だったり、自由も宗教も迫害されて命の危険にさらされながらこの街に辿り着き祖国をおもっている人たちもいる。
それぞれ動機や事情はさまざまだが、本当に多くの国の人々がこの街に住んでいる。そしてニューヨーク シティの人口は年々増加している。
世界じゅうの人々が生活を営んでいるココにいると、ここは世界のCOMMON LAND(共有地)なんだという気がしてくる。もちろん政治的にはちがうのだけど。
日本人の感覚からいうと人種の“ゴチャ混ぜ”状態。
ただ、それは今のニューヨーク シティに限ったことでは無いのだけれど、これからも更に人々が国境を越えてあらゆる場所が共有地化していくのではないだろうか。もちろん、日本も例外ではないだろう。
国境を越えて生きていくということ、世界の人々が共存するということを考えるとき、祖国を離れニューヨーク シティで逞しく生きている移民の人々の姿はこれから自分が生きていく世界のヒントだとおもう。
次回から始まる写真連載、第二章は私自身のニューヨークでのプロジェクトでもあるImmigrant (移民)家族のポートレイトです。
このプロジェクトは現在も進行中ですが、全作品の一部をこのOPENERSにて発表させていただきます。
どうぞお楽しみに。