村上憲郎氏×福井エドワード氏 トークショー開催
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2015年2月13日

村上憲郎氏×福井エドワード氏 トークショー開催

『「スマート日本」宣言』著者
村上憲郎氏×福井エドワード氏 トークショー開催

加速する、“スマートビジネス”

8月に刊行された『「スマート日本」宣言』は、3.11後の日本のあり方を占ううえで、大変貴重な本だ。刊行から2カ月たった9月末、著者である村上憲郎氏と福井エドワード氏のトークショーが赤坂でおこなわれた。



Text by OPENERS

3.11をチャンスに変えるために

主催の「クリーングリーンフォーラム」は、クリーンテックやグリーンビジネスの市場・投資・技術にかんして、3.11以前からさまざまな講演会を開催してきた団体。福井氏がマネージングディレクターを務め、村上氏もアドバイザーとして参加する。それだけに、これからのエネルギーやスマート社会の分野に関心をもつ多くのビジネスマンが会場に訪れた。



3.11後、原発の不足分をどう補うかで議論は尽きないが、『「スマート日本」宣言』では、電力の使用時間をインセンティブをつけたうえでずらしてもらう「ピークシフト」や、節電したぶんだけ儲けが出る仕組み「ネガワット」が重要だと主張している。そのためにはインフラネットワークをスマート化することが必要。そうした動きは、確実に加速してきていると村上氏は語る。




「たとえばパナソニックの藤沢での大規模なスマートシティ計画。赤字か黒字かの計算もし終えてないという噂もあるというが、企業責任もふくめて、もちろんビジネスチャンスもあると見込んでのことだとは思うが、チャレンジしている。

民間の「自生的秩序」に期待

ほかにも太陽光パネルやHEMSスマートハウスなどいろいろなところでビジネス的な動きが出てきている。スマートハウスなどでは無線LANの技術も重要なので、その技術をもっているひとたちが一体化していこうという動きもある。見える化だけでなく、PCからスイッチのオンオフまでできるというものも登場した。このわずか数カ月でこれだけ出てくるというのを見ていると、やはり民間の力には期待がもてるのではないか」



スマートグリッド商用化の動きは2013年ごろからと3.11前は言われていたが、福井氏も、3.11で前倒しされ来年にもその動きが本格化すると見る。



原発というシステムが毀損したいま、それをどう補うかさまざまな試行錯誤がなされ、ビジネスチャンスをうかがう民間の経営者たち。最終的には市場の理論で安い電力が生き残ることになるが、その来るべき未来に向けて民間はしのぎを削っている。村上氏は、3.11という不幸な出来事に日本は直面したけれども、最終的には「自生的な秩序」によって、あたらしい未来が開けるのではと楽観しているという。目まぐるしく展開するこの分野から、ビジネスの面でもますます目が離せなくなる。


           
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