松浦俊夫|真夏の夜を楽しむためのサウンドトラック
Lounge
2015年4月20日

松浦俊夫|真夏の夜を楽しむためのサウンドトラック

松浦俊夫|from TOKYO MOON 8月5日 オンエア

真夏の夜を楽しむためのサウンドトラック

日曜の夜、上質な音楽とともにゆったりと流れる自分だけの時間は、おとなたちの至福のとき。そんな時間をさらに豊かにするのが、DJ松浦俊夫によるラジオプログラム『TOKYO MOON』――。彼が世界中から選りすぐったすばらしい音楽や知的好奇心を刺激するおとなのためのトピックスを、毎週日曜日Inter FM 76.1MHzにて24時からオンエア。ここでは、毎週放送されたばかりのプログラムを振り返ります。今週は“真夏の夜は終わらない”をテーマに、気になる楽曲、注目の最新作をジャンルレスに集めました。

Text by MATSUURA Toshio

真夏の夜は終わらない!

今回は、全36トラックというビート・アルバム『DR. NO'S Kali Tornado Funk』を発表し、間もなく来日も予定されているビート・メイカー、オーノーのブラックムーヴィーのサウンド・トラックのような作品で番組をスタート。2006年に急逝し、いまや伝説と化した希代のビートメイカー&プロデューサー、Jディラの未発表トラックに地元デトロイトを代表するアーティストたちが勢揃いし、セッションして完成させたアルバムから、彼にドラム・マシーンの使い方を教えたというPファンク・ファミリーの一員、アンプ・フィドラーとのファンクネス溢れる楽曲「Let's Pray Together」をオープニングで紹介しました。

2000年の傑作アルバム『Voodoo』以降、他アーティストの作品などへの参加を除き、スタジオ・アルバムを発表していないネオ・ソウルのアイコン、ディアンジェロ。今年に入り長き沈黙を破り、ヨーロッパ・ツアーを行うなど、再起動した彼の新作を待ちわびながら、ロバータ・フラックの不朽の名作「Feel Like Makin' Love」のカバー・ヴァージョンをご紹介。つづいて、同ナンバーを今週ビルボードライブ東京で来日公演を行うシンガー、マリーナ・ショウが歌った、1975年のヴァージョンと聴き比べてもらった中盤でした。

Oh No
『DR. NO'S Kali Tornado Funk』

J Dilla 『Rebirth Of Detroit』

D'Angelo 『Voodoo』

後半では昨年5月に62歳でこの世を去ったビートニク詩人/シンガー、ギル・スコット・ヘロンの81年発表の12分を超える作品をお届け。ドラムスとベースが淡々と、しかもグルーヴィーにリズムを刻みながら、当時のアメリカのレーガン政権を痛烈に批判した、スポークン・ワードが展開されるといった、まさに彼ならではのポリティカルな作品。いまも強く我々の記憶に残っています。

Marlena Shaw
『Who Is This Bitch, Anyway?』

Gil Scott-Heron
『Reflections』

Sebastien Tellier 『My God Is Blue』

そして“真夏の夜は終わらない”というイメージで、フランスが誇る才人、セバスチャン・テリエの最新アルバムから、東京クラブ・シーンを代表するレーベル、クルーエルを主宰するDJ、プロデューサーの瀧見憲司が、バレアリックなダンス・ミュージックに変身させたナンバーでエンディングを迎えました。

REVIEW|TRACK LIST

01. Oh No / Hot As Hell (Five Day Weekend)
02. J Dilla / Let's Pray Together (Ruff Draft)
03. D'Angelo / Feel Like Makin' Love (Virgin)
04. Marlena Shaw / Feel Like Makin' Love (Blue Note)
05. Gil Scott-Heron / 'B' Movie (Arista)
06. Sebastien Tellier / Cochon Ville -Kenji Takimi &The Beauty Remix (KSR)

マリーナ・ショウ、伝説のメンバーとともにビルボードライブ東京に登場

今回紹介した「Feel Like Makin' Love」を収録した、マリーナ・ショウのアルバム『Who Is This Bitch, Anyway?』。彼女の作品の中でも1、2を争う人気作ですが、この名盤のオリジナル・レコーディング・メンバーのなかから、チャック・レイニーとハーヴィー・メイソンの切れのあるリズム隊、そして素晴らしいカッティングが光るデヴィッド・T・ウォーカー、“ローズ・ピアノ(Rhodes Piano)”のメロウな音色で高いクオリティの作品に仕上げたラリー・ナッシュ。この4人のレジェンドを引き連れて登場するマリーナのショウは、真夏の東京をさらにヒート・アップしてくれるでしょう。

Marlena Shaw featuring Chuck Rainey, David T. Walker, Larry Nash, Harvey Mason
"Who Is This Bitch Anyway?" Reunion Tour

マリーナ・ショウ
featuring チャック・レイニー、デヴィッド・T・ウォ-カー
ラリー・ナッシュ、ハーヴィー・メイソン
"Who Is This Bitch Anyway?" リユニオン・ツアー

日程|8月9日(木)~11日(土)
会場|ビルボードライブ東京
東京都港区赤坂9丁目7番4号 東京ミッドタウン ガーデンテラス4F
Tel. 03-3405-1133
料金|サービス 1万円 カジュアル 8000円(1ドリンク付)

時間|8月9日(木)、10日(金)
[1st]開場17:30 開演19:00 [2nd]開場20:45 開演21:30
8月11日(土)
[1st]開場17:00 開演18:00 [2nd]開場20:00 開演21:00
メンバー|マリーナ・ショウ / Marlena Shaw(Vocals)、チャック・レイニー / Chuck Rainey(Bass)、デヴィッド・T.ウォーカー / David T. Walker(Guitar)、ラリー・ナッシュ / Larry Nash(Keyboards)、ハーヴィ-・メイソン / Harvey Mason(Drums)
※メンバーは急遽変更になる場合があります。

松浦俊夫『TOKYO MOON』

毎週日曜日24:00~24:30 ON AIR
Inter FM 76.1MHz

『TOKYO MOON』へのメッセージはこちらまで
moon@interfm.jp

Inter FM 76.1MHz
www.interfm.co.jp

           
Photo Gallery